日本付近の梅雨期の気象について述べた次の文(a)〜(d)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①〜⑤の中から1つ選…
専門知識 専門知識 問9
日本付近の梅雨期の気象について述べた次の文(a)〜(d)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。(a) 梅雨前線を維持している水蒸気の輸送には、太平洋高気圧の縁に沿う南よりの気流とチベット高原の南縁を通る西よりの気流が寄与している。(b) 天気図の解析では、梅雨前線は、水平方向の温度傾度が小さい領域であっても水蒸気量の傾度が大きい場合には、概ね等相当温位線の集中帯の南縁に沿って解析される。(c) 梅雨前線近傍における集中豪雨の発生時には、大気下層に下層ジェットと呼ばれる湿った強風が観測されることがある。(d) 梅雨前線上に数百km 程度の水平スケールを持った地上低気圧が複数発生することがある。これらの低気圧は500hPa 高度面でも明瞭な低気圧を伴うことが多い。
- ①(a): 正 (b): 正 (c): 正 (d): 誤
- ②(a): 正 (b): 正 (c): 誤 (d): 誤
- ③(a): 誤 (b): 正 (c): 正 (d): 正
- ④(a): 誤 (b): 正 (c): 正 (d): 誤
- ⑤(a): 誤 (b): 誤 (c): 誤 (d): 正
正答 ①
正答は ①。(a) 正・(b) 正・(c) 正・(d) 誤 の組み合わせです。
【記述ごとの正誤】
(a) 正しい。梅雨前線に流れ込む水蒸気は、太平洋高気圧の西の縁を回る南よりの気流と、インド洋・ベンガル湾方面からチベット高原の南縁を通って流れてくる西よりの気流(アジアモンスーンの気流)の両方によって運ばれています。
(b) 正しい。梅雨前線の西側(華中〜西日本付近)は、前線を挟んだ気温の差が小さく、水蒸気量の差が大きいのが特徴です。このような所では等温線では前線が分かりにくいので、気温と水蒸気の両方を含む相当温位を使い、等相当温位線の集中帯の南縁に沿って前線を解析します。
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(c) 正しい。梅雨前線付近で集中豪雨が起こるときは、高度1〜3km付近に、下層ジェットと呼ばれる南西よりの湿った強風(25ノット以上が目安)が観測されることがよくあります。下層ジェットが大量の水蒸気を運び込み、積乱雲の発達を支えます。
(d) 誤り。梅雨前線上には、水平スケールが数百km程度のメソαスケールの低気圧が次々に発生することがあります。これらは主に対流圏の下層の現象で、500hPa面では明瞭な低気圧を伴わないことが多いのが特徴です。温帯低気圧のように上空の気圧の谷と組になって発達するものとは区別されます。
【ポイント】
梅雨前線は「水蒸気の前線」。相当温位の集中帯の南縁と、下層ジェットの位置を合わせて見るのが大雨の監視の基本です。
出典:令和6年度第2回(第63回)気象予報士試験 学科試験(予報業務に関する専門知識)問9(一般財団法人気象業務支援センター 公表・許諾を得て掲載)出典元ページ
最終更新日
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