図は、4 月のある日の15 時における気象衛星画像(赤外、可視)である。図にA~Dで示した各領域あるいは雲域について述べ…
専門知識 専門知識 問8
図は、4 月のある日の15 時における気象衛星画像(赤外、可視)である。図にA~Dで示した各領域あるいは雲域について述べた次の文(a)~(d)の下線部の正誤について、下記の①~⑤の中から正しいものを1 つ選べ。(a) 赤外画像の領域A に見られる細かい縞状の雲域は、トランスバースラインと呼ばれる上層雲で、強風軸に対応していると推定される。この付近では航空機に影響を及ぼす乱気流が発生することがある。(b) 領域B のにんじん状の雲域は、赤外画像、可視画像ともに白く輝いており、発達した積乱雲を含む対流雲が主体となっている雲域と判断できる。(c) 領域C には、赤外画像で暗灰色と黒色の境界が見られるが、可視画像では同様な境界が確認できないことから、この境界は海面水温の違いによって現れたと推定される。(d) 赤外画像、可視画像いずれにおいても領域D に縞状の雲域が存在している。このような雲が発生するときは、風は下層から上層まで山脈にほぼ直角方向に吹き、雲の高さ付近では不安定な成層状態となっていることが多い。
- ①(a)のみ誤り
- ②(b)のみ誤り
- ③(c)のみ誤り
- ④(d)のみ誤り
- ⑤すべて正しい
正答 ④
正答は ④。(d) だけが誤りです。
【下線部ごとの正誤】
(a) 正しい。領域Aでは、赤外画像で白い上層雲の帯の中に、帯の向き(南西−北東)と直角に近い向きの細かい縞が並んでいます。これはトランスバースラインと呼ばれる上層雲で、ジェット気流の強風軸の近くに現れます。この付近では晴天乱気流など、航空機に影響する乱気流が発生しやすくなります。
(b) 正しい。領域Bの雲域は、南西の先端がとがって北東へ広がる、にんじん状の形をしています。赤外画像で白い(雲頂温度が低く背が高い)だけでなく、可視画像でも白く輝いている(厚い)ので、発達した積乱雲を含む対流雲が主体の雲域と判断できます。
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(c) 正しい。領域Cは、赤外画像では暗灰色と黒色の渦を巻いた境界が見えますが、可視画像では同じ所に雲が見えません。雲が無い海面の温度の違い(暖水と冷水の境)が、赤外画像の明暗として現れていると推定されます。
(d) 誤り。領域Dの北海道付近に見られる縞状の雲は、山脈の風下にできる山岳波による波状の雲とみられます。このような雲ができるのは、風が下層から上層まで山脈にほぼ直角に吹き、雲の高さ付近が「安定な」成層のときです。安定層の中で風が山を越えると、空気が上下に振動して波ができ、波の上昇する部分に雲ができます。不安定な成層では、このような規則正しい縞はできにくくなります。
【ポイント】
山岳波の雲(波状雲)の条件は「山にほぼ直角な強い風」「高さとともに強まる風」「雲の高さ付近の安定層」の3つです。
出典:令和6年度第2回(第63回)気象予報士試験 学科試験(予報業務に関する専門知識)問8(一般財団法人気象業務支援センター 公表・許諾を得て掲載)出典元ページ
最終更新日
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