図は、春のある日の9 時の天気図(上図)と、この天気図に示したA、B、C のいずれかの観測点におけるラジオゾンデで観測し…

専門知識 専門知識 問3

図は、春のある日の9 時の天気図(上図)と、この天気図に示したA、B、C のいずれかの観測点におけるラジオゾンデで観測した気温、湿度、風速、風向の鉛直分布図(下図)である。これらの鉛直分布図について述べた次の文(a)~(c)の下線部の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①~⑤の中から1 つ選べ。(a) 下図には800hPa付近に気温の逆転層がある。これは、高気圧周辺で空気が沈降し、断熱的に昇温したことで生じる沈降性の逆転層であると推定される。(b) 下図から対流圏界面の高さを推定すると、気温の分布から80hPa付近に1つめの圏界面があり、風向風速の分布から40hPa付近に2つめの圏界面があると推定される。(c) 鉛直分布図の観測点は、天気図に示されたA、B、Cの内、C地点である。

気象予報士 令和7年度第1回(第64回) 専門知識 問3の図
正答 ③
正答は ③。(a) 正・(b) 誤・(c) 正 の組み合わせです。 【図の読み】 気温は地上で約20℃と高く、800hPa付近で高さとともに気温が上がる逆転層があります。湿度は逆転層の下では90%以上と湿っていますが、逆転層より上では急に10%以下に下がり、非常に乾燥しています。気温の極小は80hPa付近(約−80℃)にあります。風は、下層が北東〜東寄り(風向60°前後)、800hPa付近より上は西寄り(250°前後)で、150〜200hPa付近に約40m/sの極大があります。40hPa付近より上では風向が大きく変わり、東寄りの風になっています。
解説の続きをみる続きを閉じる
【記述ごとの正誤】 (a) 正しい。逆転層の上の空気が極端に乾いているのは、上空から沈降してきた空気が断熱圧縮で昇温・乾燥した特徴です。天気図では日本の東に1032hPaの高気圧があり、その圏内で生じた沈降性の逆転層と推定されます。 (b) 誤り。気温の分布から、80hPa付近の気温の極小を対流圏界面と推定するのはよいのですが、対流圏界面は気温の減率から決めるもので、風向・風速の変化から決めることはできません。40hPa付近で風向が西寄りから東寄りに変わっているのは、成層圏の中の風の変化(赤道域の成層圏の東西風が周期的に入れ替わる準2年周期振動の影響などが考えられます)で、2つめの圏界面ではありません。 (c) 正しい。地上気温が約20℃と高く、圏界面が80hPa付近(高度約17km)と熱帯に近い高さにあるので、低緯度の観測点と考えられます。下層の北東〜東寄りの風は、高気圧の南側の時計回りの流れに合い、沈降性の逆転と乾燥も高気圧圏内の特徴です。A(本州の日本海側)やB(九州付近)では、春の朝の地上気温が20℃もあることは考えにくく、西から近づく低気圧の前面にあたるので逆転層の上がこれほど乾燥することも考えにくいので、高気圧の南側の低緯度にあるC地点が当てはまります。 【ほかの選択肢】 ① (a) 正・(b) 正・(c) 正、② (a) 正・(b) 正・(c) 誤 は、(b) を正しいとしているので誤り ④ (a) 誤・(b) 誤・(c) 正、⑤ (a) 誤・(b) 誤・(c) 誤 は、(a) を誤りとしているので誤り

出典:令和7年度第1回(第64回)気象予報士試験 学科試験(予報業務に関する専門知識)問3(一般財団法人気象業務支援センター 公表・許諾を得て掲載)出典元ページ

最終更新日

この回を通しで解く この分野を年度横断で解く

「専門知識」のほかの問題

  1. 令和4年度第2回(第59回) 専門知識 問3気象庁が行っているウィンドプロファイラ観測について述べた次の文(a)〜(c)の正誤の組み
  2. 令和5年度第1回(第60回) 専門知識 問8日本の天気に影響を及ぼす太平洋高気圧について述べた次の文章の下線部(a)〜(d)の正誤の
  3. 令和5年度第2回(第61回) 専門知識 問12気象庁が発表する特別警報、警報、注意報について述べた次の文(a)〜(c)の下線部の正誤の
  4. 令和6年度第2回(第63回) 専門知識 問1気象庁が地上気象観測において定義している大気現象について述べた次の文 (a)〜(d)の下
  5. 令和7年度第2回(第65回) 専門知識 問5気象庁の数値予報プロダクトの利用にあたって留意すべき事項について述べた次の文(a)〜(c
  6. 令和8年度第1回(第66回) 専門知識 問9冬季に日本付近で発生するポーラーロウについて述べた次の文(a)〜(c)の正誤の組み合わせ

問題文・解答の修正依頼

スポンサーリンク