容積が一定の容器A と容積が可変の容器B を用いた仮想的な実験を考える。二つの容器はともに容器の外に対して断熱性があるが…
一般知識 一般知識 問3
容積が一定の容器A と容積が可変の容器B を用いた仮想的な実験を考える。二つの容器はともに容器の外に対して断熱性があるが、容器どうしを密着させると密着した面を通して熱交換させることができる。また、容器B は滑らかに動くピストンを備え、容器の外と中の圧力が常に等しくなるよう容積が自由に変化するものとする。ここで下図のように、最初に、容器Aには温度350Kの乾燥空気1 kg を、容器B には容器外の気圧1000 hPa と釣り合うように温度300Kの乾燥空気1 kg を封入しておき、次に、この二つの容器を密着させて熱平衡状態になるまで熱交換させたとする。この熱平衡状態の乾燥空気の温度 (a) と、容器Bの乾燥空気の体積の増加量 (b) に最も近い値の組み合わせを下記の①〜⑤の中から1 つ選べ。ただし、定積比熱Cv=700 J K⁻¹ kg⁻¹、定圧比熱Cp=1000 J K⁻¹ kg⁻¹、乾燥気体の気体定数Rd=300 J K⁻¹ kg⁻¹とする。また、容器の熱容量は考慮しないこととする。
- ①(a): 329 K (b): 0.04 ㎥
- ②(a): 329 K (b): 0.08 ㎥
- ③(a): 321 K (b): 0.03 ㎥
- ④(a): 321 K (b): 0.06 ㎥
- ⑤(a): 313 K (b): 0.04 ㎥
正答 ④
正答は ④。(a) 321K、(b) 0.06㎥ の組み合わせです。
【熱のやり取り】
容器Aは容積が一定なので、Aの空気が失う熱は定積比熱で、容器Bは圧力が一定なので、Bの空気が得る熱は定圧比熱で計算します。外へ熱は逃げないので、熱平衡の温度を T とするとCv×1kg×(350−T)=Cp×1kg×(T−300)
700×(350−T)=1000×(T−300)
245000−700T=1000T−300000
1700T=545000
T≒320.6K → 約321K
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【容器Bの体積の増加量】
容器Bの空気は圧力 p=1000hPa=100000Pa のまま温度が上がるので、状態方程式 pV=mRdT から
ΔV=mRd×ΔT÷p=1×300×(320.6−300)÷100000
=300×20.6÷100000≒0.062㎥ → 約0.06㎥
【ほかの選択肢】
①② 329K では、Aが失う熱 700×(350−329)=14700J に対し、Bが得る熱 1000×(329−300)=29000J となり、釣り合いません。誤り
③ 温度は正しいのですが、体積の増加量 0.03㎥ は計算(約0.06㎥)の半分です。誤り
⑤ 313K では、Aが失う熱 700×37=25900J、Bが得る熱 1000×13=13000J となり、やはり釣り合いません。誤り
【ポイント】
圧力一定の空気は、加熱されると膨張して外に仕事をする分だけ多くの熱が必要になります(Cp>Cv)。そのため、熱平衡の温度は単純な平均の325Kより、Bの初めの温度に近い側になります。
出典:令和8年度第1回(第66回)気象予報士試験 学科試験(予報業務に関する一般知識)問3(一般財団法人気象業務支援センター 公表・許諾を得て掲載)出典元ページ
最終更新日
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