規約に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、その効力が認められないものの組合せはどれか。…

建物・設備・修繕 第1問

規約に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、その効力が認められないものの組合せはどれか。ア 構造上区分所有者の全員又はその一部の共用に供されるべき建物の部分を専有部分とする規約の定めイ 区分所有権の目的とすることができる建物の部分及び附属の建物を共用部分とする規約の定めウ 管理組合法人における理事の任期を3年とする規約の定めエ 共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)は、区分所有者の4分の3以上の多数で、かつ議決権の3分の2以上の多数による集会の決議で決するとする規約の定め

正答 (4)
正答は (4)。 【何を問うているか】 規約で定めても効力が認められないものを選ぶ問題です。規約は区分所有者の自治の道具ですが、区分所有法が強行規定として枠を定めている部分については、規約で動かすことができません。どこまでが自治に任され、どこからが強行規定なのかを整理する問題です。 【ア 効力が認められない】 「構造上区分所有者の全員又はその一部の共用に供されるべき建物の部分」とは、廊下、階段室、エレベーター室、耐力壁といった、構造上当然に共用部分となる部分(法定共用部分)のことです。区分所有法第4条第1項は、この部分は専有部分とすることができない旨を定めています。専有部分となるためには「構造上の独立性」と「利用上の独立性」が必要であり、構造上共用に供されるべき部分はそもそもこの要件を満たしません。したがって、これを専有部分とする規約の定めは効力がありません。
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【イ 効力が認められる】 区分所有法第4条第2項は、区分所有権の目的とすることができる建物の部分及び附属の建物は、規約により共用部分とすることができると定めています。管理事務室、集会室、管理用倉庫などがこれにあたり、いわゆる規約共用部分です。専有部分になり得るものをあえて共用部分にするのは自治の範囲内ですから、この定めは有効です。アとは向きが逆である点に注意してください。 【ウ 効力が認められる】 管理組合法人の理事の任期について、区分所有法は原則を2年としたうえで、規約で3年以内において別段の期間を定めたときはその期間とすると定めています。3年は「3年以内」に収まりますから、この規約の定めは有効です。これが「4年」であれば上限を超えるため無効になります。上限つきの自治が認められている典型例として覚えておくとよい箇所です。 【エ 効力が認められない】 共用部分の変更のうち、形状又は効用の著しい変更を伴うもの(重大変更)は、区分所有法第17条第1項により区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議で決します。そして同項ただし書は、このうち区分所有者の定数は規約で過半数まで減ずることができると定めています。減らせるのは頭数(区分所有者の定数)だけであって、議決権の要件を軽くすることはできません。設問の規約は議決権を3分の2以上に緩めていますから、法が許した範囲を超えており、効力が認められません。 【混同しやすい点】 重大変更は各4分の3以上、軽微変更(形状又は効用の著しい変更を伴わないもの)は普通決議で各過半数、建替え決議は各5分の4以上です。4分の3が要求される場面のうち、頭数だけ過半数まで緩められるのは共用部分の重大変更だけであり、規約の設定・変更・廃止(第31条)ではこうした緩和は認められていません。要件の重さは、他の区分所有者の財産的負担の大きさに対応していると理解すると整理しやすくなります。 以上から、効力が認められないのはアとエであり、正答は (4) です。 ※2026年10月時点では、2025年の改正により、共用部分の重大変更の決議は、区分所有者(議決権を有しないものを除く)の過半数で議決権の過半数を有する者が出席し、出席者及びその議決権の各4分の3以上(規約で2分の1を超える割合まで引下げ可)の多数によるものに改められ、頭数だけを規約で過半数まで減らせるという仕組みはなくなっています(第17条第1項)。規約の設定・変更・廃止も出席者及びその議決権の各4分の3以上によります(第31条第1項)。

出典:令和元年度 マンション管理士試験問題 問1(公益財団法人 マンション管理センター 公表)出典元ページ

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