Aがその所有する甲マンションの101号室をBに賃貸した場合に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法(平成3年法律第90…

民法など法令 第12問

Aがその所有する甲マンションの101号室をBに賃貸した場合に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法(平成3年法律第90号)の規定並びに判例によれば、誤っているものはどれか。

正答 (1)
正答は (1)。 【何を問うているか】 賃貸借、贈与、保証といった民法の基本的な契約について、書面が必要かどうかを横断的に問う問題です。要式性が要求される場面とそうでない場面を仕分けできるかがすべてです。 【(1) 誤り。これが正答】 契約の更新がないこととする賃貸借、すなわち定期建物賃貸借は、借地借家法第38条に定めがあります。同条は「公正証書による等書面によって契約をするときに限り」更新がないこととする旨を定めることができるとしています。ここでいう公正証書は例示にすぎず、書面であれば足り、公正証書に限られません。本肢は公正証書によらなければ無効だとしている点で誤りです。なお、定期建物賃貸借では、契約書とは別に、更新がなく期間の満了により終了する旨を記載した書面を交付して説明する必要があり、この説明を欠くと更新がない旨の定めは無効になります。書面が二種類必要になる点も併せて押さえてください。
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【(2) 正しい】 出題当時の民法第550条は、書面によらない贈与は各当事者が撤回することができるとしつつ、履行の終わった部分についてはこの限りでないと定めていました(令和2年4月1日施行の改正で「撤回」は「解除」に改められましたが、内容は同じです)。不動産の贈与については、引渡し又は所有権移転登記のいずれかがされれば履行が終わったものと扱われるのが判例の立場です。本肢は所有権をCに移転し登記もしていますから、Aは撤回できません。正しい記述です。書面によらない贈与に軽い拘束力しか認めないのは、贈与が無償であり、軽率な約束から贈与者を守る必要があるからですが、履行まで済ませたのであればその保護は不要になる、という発想です。 【(3) 正しい】 民法第612条第1項は、賃借人は賃貸人の承諾を得なければ賃借権を譲り渡し、又は賃借物を転貸することができないと定めています。この承諾に方式の定めはなく、口頭でも有効です。黙示の承諾でも足りると解されています。本肢は正しい記述です。承諾が必要であることと、承諾に書面が必要であることとは別の話ですから、混同しないでください。 【(4) 正しい】 民法第446条第2項は、保証契約は書面でしなければ、その効力を生じないと定め、同条第3項は、保証契約がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、書面によってされたものとみなすと定めています。保証は自分に何の利益もないまま他人の債務を負う契約ですから、軽率に結ぶことのないよう要式契約とされています。本肢は正しい記述です。 【整理】  書面が必要    保証契約、定期建物賃貸借の更新がない旨の定め(公正証書に限らない)  書面がなくてよい 転貸・賃借権譲渡の承諾、贈与(ただし履行前は撤回できる。現在の条文では解除) 正答は (1) です。

出典:令和元年度 マンション管理士試験問題 問12(公益財団法人 マンション管理センター 公表)出典元ページ

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