マンションの排水設備に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。…
建物・設備・修繕 第44問
マンションの排水設備に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。
- (1)特殊継手排水システムは、排水立て管と通気立て管を接続することにより、管内の圧力を緩和する機能があるので、専有部分からの汚水系統や雑排水系統の排水を集約できる。
- (2)洗面台の洗面器にためた水を一気に流すと、接続された排水管を排水が満流状態で流れることにより、トラップ部の封水が流出してしまうことがある。
- (3)敷地内で雨水排水管と汚水排水横主管を接続する場合に、臭気が雨水系統へ逆流しないようにトラップを設けた。
- (4)台所に設置する食器洗い乾燥機の排水管に、高温の排水に耐えられるように耐熱性硬質(ポリ)塩化ビニル管を用いた。
正答 (1)
正答は (1)。
【何を問うているか】
排水設備について、通気の仕組み、封水が失われる原因、雨水と汚水の系統の扱い、配管材料を問う問題です。排水管は水と空気が同時に動く管であり、空気の流れをどう確保するかが設計の要点になります。
【(1) 適切でない。これが正答】
特殊継手排水システムは、排水立て管と横枝管の接続部に特殊な形状の継手を用い、落下してくる排水に旋回流を与えて管の中心に空気の通り道を確保することで、管内の圧力変動を抑える方式です。その最大の特徴は、通気立て管を設けずに済む点にあり、伸頂通気方式の延長として位置づけられます。本肢は「排水立て管と通気立て管を接続することにより」としており、この方式の説明として誤っています。通気立て管を設けて立て管と接続するのは、通気立て管方式の説明です。本肢が適切でなく、正答となります。なお、汚水系統と雑排水系統を一本の立て管に集約できるという点は、この方式の利点として述べられるとおりです。
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【(2) 適切】
洗面器にためた水を一気に流すと、接続された排水管が水で満たされた状態(満流)で流れます。すると排水が管内の空気を押し出しながら進み、トラップの下流側が負圧になって、トラップの封水が排水とともに吸い出されてしまうことがあります。これを自己サイホン作用といいます。封水が失われるとトラップとしての働きがなくなり、下水の臭気や害虫が室内に入ってきます。本肢は適切です。
【(3) 適切】
敷地内で雨水排水管と汚水排水の横主管を接続する場合には、トラップ(トラップ桝など)を設けて、汚水側の臭気が雨水系統をさかのぼって雨水の集水口などから屋外に漏れ出さないようにします。雨水排水の経路には通常トラップがありませんから、接続部で封水を確保する必要があるわけです。本肢は適切です。
【(4) 適切】
食器洗い乾燥機の排水は高温になりますから、一般の硬質塩化ビニル管では変形するおそれがあります。そこで耐熱性硬質塩化ビニル管を用います。配管材料は、流れる流体の温度や性状に応じて選ぶ必要があるという例です。本肢は適切です。
【通気方式の整理】
伸頂通気方式 排水立て管の頂部をそのまま延長して大気に開放する。
通気立て管方式 排水立て管と別に通気立て管を設け、各所で接続する。
特殊継手排水システム 特殊継手で旋回流をつくり、通気立て管を省略する。
本問はこの三つの区別がそのまま解答に結びついています。
正答は (1) です。
出典:令和元年度 マンション管理士試験問題 問44(公益財団法人 マンション管理センター 公表)出典元ページ
最終更新日
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