Aが所有する甲マンション201 号室には、AのBに対する債務を担保するためにBの抵当権が設定されている。この場合に関する…

民法など法令 第13問

Aが所有する甲マンション201 号室には、AのBに対する債務を担保するためにBの抵当権が設定されている。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

正答 (4)
正答は (4)。 【何を問うているか】 抵当権の基本的な性質を問う問題です。効力の及ぶ範囲、対抗関係、設定者の使用収益権、順位の決まり方という四つの論点が並んでいます。 【(1) 正しい】 民法は、抵当権はその目的である不動産に付加して一体となっている物に及ぶと定めています。そして判例は、抵当権設定当時に存在した従物にも抵当権の効力が及ぶとしています。従物とは、主物の常用に供するためにこれに付属させられた独立の物のことで、住戸に備え付けられた建具などが考えられます。本肢は正しい記述です。 【(2) 正しい】
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借地借家法は、建物の賃貸借は、その登記がなくても、建物の引渡しがあったときは、その後その建物について物権を取得した者に対し、その効力を生ずると定めています。Cは抵当権の設定登記より前に引渡しを受けていますから、抵当権に先立って対抗力を備えたことになります。したがって、抵当権が実行されて買受人Dが現れても、Cは賃借権をもってDに対抗でき、明渡しの請求を拒むことができます。本肢は正しい記述です。逆に、抵当権設定登記の後に引渡しを受けた賃借人は買受人に対抗できず、明渡猶予の制度によって6か月間の猶予が与えられるにとどまります。 【(3) 正しい】 抵当権は、目的物の占有を設定者のもとに残したまま設定される担保物権です。したがって、抵当権が設定された後も、設定者Aは201号室を使用し、第三者に賃貸して賃料を収取することができます。これが質権との大きな違いであり、抵当権が不動産金融の中心的な手段となっている理由でもあります。本肢は正しい記述です。なお、抵当権者は、抵当権を実行する段階で物上代位により賃料を差し押さえることができます。 【(4) 誤り。これが正答】 同一の不動産について複数の抵当権が設定されたときは、その順位は登記の前後によります。設定契約の前後によるのではありません。登記という公示によって順位を決めることで、第三者が登記簿を見れば権利関係を把握できるようにしているのです。契約の日付を基準にすると、外から確認できない事情で順位が決まってしまい、取引の安全が害されます。本肢は誤りであり、正答となります。 【まとめ】 抵当権は「占有を移さず、登記で公示し、登記の順で優劣が決まる」担保物権です。この三点を押さえておけば、本問の各肢は判断できます。 正答は (4) です。

出典:令和2年度 マンション管理士試験問題 問13(公益財団法人 マンション管理センター 公表)出典元ページ

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