甲マンションの102 号室にAとBが同居し、AがBと同居したまま令和2年7月1日に死亡した場合における次の記述のうち、民…

民法など法令 第17問

甲マンションの102 号室にAとBが同居し、AがBと同居したまま令和2年7月1日に死亡した場合における次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。ただし、AにはBのほかに相続人がいるものとする。

正答 (1)
正答は (1)。 【何を問うているか】 令和2年4月1日に施行された配偶者居住権についての問題です。どのような場合に成立し、どのような場合に成立しないのかを、条文の要件に沿って確認する必要があります。 【成立の要件】 民法は、被相続人の配偶者が、被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に居住していた場合において、次のいずれかに該当するときに、その建物の全部について無償で使用及び収益をする権利(配偶者居住権)を取得すると定めています。  遺産の分割によって配偶者居住権を取得するものとされたとき
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 配偶者居住権が遺贈の目的とされたとき そして、ただし書として、被相続人が相続開始の時に居住建物を配偶者以外の者と共有していた場合には取得しないとされています。 【(1) 誤り。これが正答】 ただし書が取得を否定しているのは、被相続人が居住建物を配偶者以外の者と共有していた場合です。共有者が第三者であれば、その第三者の使用収益の権利を一方的に制約することになってしまうため、配偶者居住権の成立が否定されるのです。これに対し、本肢のように被相続人Aと配偶者Bとの共有であった場合には、制約を受ける他の共有者が配偶者自身ですから、ただし書にはあたりません。したがってBは配偶者居住権を取得できます。本肢は取得しないとしている点で誤りであり、正答となります。 【(2) 正しい】 配偶者居住権は、遺産分割、遺贈又は死因贈与といった、取得させる旨の何らかの根拠があって初めて成立するものであり、配偶者であることから当然に発生する権利ではありません。したがって、そのいずれもない場合には取得しません。本肢は正しい記述です。なお、家庭裁判所が遺産分割の審判により配偶者居住権を取得させることができる場合もありますが、いずれにせよ何らかの手続が必要である点は変わりません。 【(3) 正しい】 配偶者居住権における「配偶者」とは、法律上の配偶者を指します。内縁の配偶者は相続人ではなく、民法上の配偶者にもあたりませんから、配偶者居住権を取得することはできません。長年同居していたという事実があっても、法律上の婚姻関係がなければ対象外です。本肢は正しい記述です。 【(4) 正しい】 配偶者居住権の制度は令和2年4月1日から施行されましたが、施行日前にされた遺贈又は死因贈与については適用されません。令和元年6月1日にされた遺贈は施行日前のものですから、これによって配偶者居住権が発生することはありません。したがって、遺産分割によって取得するものとされない限り、Bは配偶者居住権を取得しません。本肢は正しい記述です。新しい権利を、その存在を知り得なかった時点の遺言に遡って認めるのは相当でないという考慮に基づく経過措置です。 正答は (1) です。

出典:令和2年度 マンション管理士試験問題 問17(公益財団法人 マンション管理センター 公表)出典元ページ

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