Dさん(38 歳,男性)は,不眠を主訴に精神科クリニックを受診した。医師が不眠の理由を尋ねると,「常に誰かに後を付けられ…
精神疾患とその治療 第8問
Dさん(38 歳,男性)は,不眠を主訴に精神科クリニックを受診した。医師が不眠の理由を尋ねると,「常に誰かに後を付けられている。道を行く全ての人が,自分のことを話している。自分を狙っている組織がある」と訴えた。診察の結果,Dさんは,統合失調症と診断され,薬物療法を含む治療が開始された。その後来院した時,Dさんは精神科クリニックのE精神保健福祉士に,「組織の人がそこに来ている気がする。どう思いますか」と心配そうに確認を求めてきた。次の記述のうち,E精神保健福祉士から,Dさんに対する声かけとして,適切なものを2 つ選びなさい。
- (1)「あなたの考えは間違っています」と明確に指摘する。
- (2)「大変ですね。おつらいですね」と共感を示す。
- (3)「あなたの心配を担当の医師に伝えてみませんか」と促す。
- (4)「どういう組織か詳しく教えてください」と説明を求める。
- (5)「組織が攻撃してくることはあり得ません」と述べた上でその理由を論理的に説明する。
正答 (2)(3)
正答は (2)と(3)。適切なのはこの2つです。
妄想に対しては、否定も肯定もせず、その考えによって本人が感じている不安やつらさに寄り添うのが基本です。
(2) 「大変ですね。おつらいですね」と、妄想の内容ではなく
Dさんの苦しさに共感を示しています。
(3) Dさんは「どう思いますか」と心配して確認を求めており、
その心配を主治医に伝えるよう促すことで、治療につなげる
ことができます。症状の変化を医師が知ることは、薬物療法の調整にも役立ちます。
【ほかの選択肢】
(1) 妄想は訂正できない確信なので、「間違っている」と指摘しても
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訂正できず、信頼関係を損ねるおそれがあります。 誤り
(4) 組織について詳しく尋ねると、妄想の内容に関心を寄せることに
なり、妄想を強めたり広げたりするおそれがあります。 誤り
(5) 論理的に否定する説明も、(1)と同じく本人には受け入れられず、
対立を生むおそれがあります。 誤り
出典:精神保健福祉士国家試験 第26回(令和5年度)(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター 公表試験問題)出典元ページ
最終更新日
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