権利質に関する次のアからオまでの記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは,後記1から5 までのうち,どれか。…

午前の部(民法) 午前の部 第12問

権利質に関する次のアからオまでの記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは,後記1から5 までのうち,どれか。ア 質権の目的である金銭債権の弁済期が到来したときは,質権者は,被担保債権の弁済期の到来前であっても,質権の目的である金銭債権を直接取り立てることができる。イ 権利質は,質権者自身に対する債権をその目的とすることができない。ウ 債権の目的物が金銭でないときは,その債権を目的とする質権を有する質権者は,弁済として受けた物について質権を有する。エ 当事者が譲渡を禁止する旨の意思表示をした債権を目的とする質権の設定は,その意思表示がされたことを質権者が知っていたときは,無効である。オ AがBのためにCに対する債権を目的とする質権を設定し,Cに確定日付のある証書によってその通知をしたときは,Bは,その後にこの債権を差し押さえたAの他の債権者に対し,質権の設定を対抗することができる。

正答 (4)
正答は (4)。正しいのはウとオです。 【ア】誤り 質権者は、質権の目的である債権を直接に取り立てることができます(民法366条1項)。ただし、目的債権の弁済期が質権者の債権(被担保債権)の弁済期前に到来したときは、質権者は、第三債務者にその弁済をすべき金額を供託させることができるにとどまり(同条3項前段)、直接取り立てることはできません。質権はその供託金について存在します(同項後段)。 【イ】誤り 権利質の目的には、質権者自身に対する債権も含まれると解されています。たとえば、銀行が貸付金の担保として、自行に対する預金債権に質権の設定を受けることも行われています。
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【ウ】正しい 債権の目的物が金銭でないときは、質権者は、弁済として受けた物について質権を有します(民法366条4項)。 【エ】誤り 2020年4月施行の改正後の民法では、当事者が債権の譲渡を禁止し、又は制限する旨の意思表示(譲渡制限の意思表示)をしたときであっても、債権の譲渡はその効力を妨げられません(民法466条2項)。質権の設定も同様に有効で、質権者が悪意であっても無効にはなりません。悪意又は重大な過失のある第三者に対しては、債務者が履行を拒むことなどができるという形で、債務者の利益が守られます(同条3項)。なお、預貯金債権については別に定めがあります(同法466条の5)。 【オ】正しい 債権を目的とする質権の設定は、民法467条の規定に従い、第三債務者にその質権の設定を通知し、又は第三債務者がこれを承諾しなければ、第三債務者その他の第三者に対抗することができません(民法364条)。確定日付のある証書による通知をすれば、第三者に対抗できるので、その後に差し押さえたAの他の債権者にも質権を対抗できます。 【組み合わせ】 正しいのはウとオで、これを組とする (4) が正答です。

出典:2021年(令和3年度) 司法書士試験 午前の部 第12問(法務省 公表)出典元ページ

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