物権の得喪に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記1から5 までのうち、どれか…
午前の部(民法) 午前の部 第9問
物権の得喪に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記1から5 までのうち、どれか。ア Aの所有する甲土地の中からBが埋蔵物を発見した場合において、その所有者が判明しないときは、Bが当該埋蔵物の単独所有権を取得する。イ Aの所有する甲土地にBの地上権が設定され、その旨の登記がされた後に、甲土地にCの抵当権が設定され、その旨の登記がされた場合において、Bが甲土地の所有権を取得したときは、Bの地上権は消滅する。ウ Aの所有する甲土地に、Aに対する債権を被担保債権とするBの抵当権が設定され、その旨の登記がされた後に、甲土地にCの抵当権が設定され、その旨の登記がされた場合において、BがAを単独で相続したときは、Bの抵当権は消滅する。エ Aの所有する甲土地に、甲土地の使用収益の権原を有しないBが、その所有する種子をAに無断でまいた場合には、生育した苗の所有権は、Bに帰属する。オ Aの所有する甲建物に、賃借人BがAの承諾を得て増築をした場合において、当該増築部分が甲建物の構造の一部をなし、それ自体では取引上の独立性を有しないときは、Aが当該増築部分の所有権を取得する。
- (1)アイ
- (2)アエ
- (3)イウ
- (4)ウオ
- (5)エオ
正答 (4)
正答は (4)。正しいのはウとオです。
【ア】誤り
埋蔵物は、遺失物法に従って公告をした後6か月以内に所有者が判明しないときは発見者が所有権を取得しますが、他人の所有する物の中から発見されたときは、発見者とその他人が等しい割合で所有権を取得します(民法241条)。Aの土地から発見したので、AとBの共有となり、Bの単独所有にはなりません。
【イ】誤り
同一物について所有権と他の物権が同一人に帰属したときは、他の物権は混同で消滅するのが原則ですが、その物又は当該他の物権が第三者の権利の目的であるときは消滅しません(民法179条1項)。甲土地にはCの抵当権が設定されているので、Bの地上権は消滅しません。Bの地上権はCの抵当権より先に登記されているので、これが消えるとBが抵当権の実行に対抗できなくなるからです。
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【ウ】正しい
BがAを単独で相続すると、Bの抵当権の被担保債権(BのAに対する債権)の債権者と債務者が同一人になり、その債権は混同によって消滅します(民法520条本文)。被担保債権が消滅すれば、付従性により抵当権も消滅します。後順位のCの抵当権があっても、被担保債権そのものが消える以上、Bの抵当権は存続しません。
【エ】誤り
不動産の所有者は、その不動産に従として付合した物の所有権を取得します。ただし、権原によって附属させた他人の権利は妨げられません(民法242条)。判例は、権原のない者が他人の土地に播いた種子から生育した苗は土地に付合し、土地の所有者に帰属するとしています。Bは使用収益の権原を有しないので、苗はAに帰属します。
【オ】正しい
判例は、賃借人が賃貸人の承諾を得て増築した部分でも、建物の構造の一部をなし、それ自体では取引上の独立性を有しないときは、区分所有権の対象とならず、建物に付合して建物の所有者に帰属するとしています(民法242条ただし書の適用はありません)。
【組み合わせ】
正しいのはウとオで、これを組とする (4) が正答です。
出典:2022年(令和4年度) 司法書士試験 午前の部 第9問(法務省 公表)出典元ページ
最終更新日
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