権利質に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものの組合せは、後記1から5 までのうち、どれか…
午前の部(民法) 午前の部 第14問
権利質に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものの組合せは、後記1から5 までのうち、どれか。ア 質権者は、質権の目的となっている金銭債権について、自己の債権額に対応する部分に限り、取り立てることができる。イ 質権の設定者は、質権の目的となっている債権を取り立てることはできない。ウ 第三債務者に対する質権の設定の通知又は第三債務者の承諾が確定日付のある証書によってされなければ、質権者は、債権を目的とする質権の設定を当該第三債務者に対抗することができない。エ 同一の債権について複数の質権を設定することはできない。オ 質権は、現に発生していない債権を目的とすることができる。
- (1)アイ
- (2)アウ
- (3)イオ
- (4)ウエ
- (5)エオ
正答 (4)
正答は (4)。誤っているのはウとエです。
【ア】正しい
質権者は質権の目的である債権を直接に取り立てることができますが、債権の目的物が金銭であるときは、自己の債権額に対応する部分に限り取り立てることができます(民法366条1項・2項)。
【イ】正しい
判例は、債権が質権の目的とされた場合、質権設定者は、質権者に対して担保価値を維持すべき義務を負い、債権の放棄・免除・相殺・更改など債権を消滅・変更させる行為や、担保価値を害する行為をすることは許されないとしています。質権設定者が自ら債権を取り立てることもできないと解されています。
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【ウ】誤り
債権を目的とする質権の設定は、民法467条の規定に従い、第三債務者に通知し、又は第三債務者が承諾しなければ、第三債務者その他の第三者に対抗できません(民法364条)。確定日付のある証書が必要なのは、第三債務者以外の第三者に対抗する場合です(民法467条2項)。第三債務者に対しては、確定日付のない通知・承諾で対抗できるので、記述は誤りです。
【エ】誤り
同一の債権に複数の質権を設定することもできます。その順位は、対抗要件を備えた先後によって決まります。
【オ】正しい
民法364条は「現に発生していない債権を目的とするものを含む」と定めており、将来発生する債権も質権の目的とすることができます(2020年4月施行の改正で明文化)。
【組み合わせ】
誤っているのはウとエで、これを組とする (4) が正答です。
出典:2022年(令和4年度) 司法書士試験 午前の部 第14問(法務省 公表)出典元ページ
最終更新日
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