多数当事者の債権及び債務に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5 までのうち、どれか…
午前の部(民法) 午前の部 第16問
多数当事者の債権及び債務に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5 までのうち、どれか。ア 各連帯債権者は、全ての債権者のために全部の履行を請求することができる。イ 連帯債権者の一人と債務者との間に混同があったときは、債務者は弁済をしたものとみなされる。ウ 連帯債務者の一人が債権者に対して債権を有する場合において、その連帯債務者が相殺を援用しない間は、その連帯債務者の負担部分について他の連帯債務者が相殺を援用することができる。エ 当事者の意思表示によって数人が連帯して債務を負担する場合において、連帯債務者の一人が弁済をしたときは、その連帯債務者は、その弁済額が自己の負担部分を超えていなければ、他の連帯債務者に対して求償することはできない。オ 連帯債務者の一人に対して債務の免除がされた後、他の連帯債務者が債務の全額を弁済したときは、債務の免除を受けた連帯債務者は、債務の免除を受けたことを理由に、求償を拒むことはできない。
- (1)アエ
- (2)アオ
- (3)イウ
- (4)イオ
- (5)ウエ
正答 (5)
正答は (5)。誤っているのはウとエです。
この問題は、2020年4月1日に施行された債権法改正後の連帯債権・連帯債務の規定で解きます。
【ア】正しい
各連帯債権者は、全ての債権者のために全部又は一部の履行を請求することができます(民法432条)。
【イ】正しい
連帯債権者の一人と債務者との間に混同があったときは、債務者は弁済をしたものとみなされます(民法435条)。混同は連帯債権の絶対的効力事由です。
【ウ】誤り
連帯債務者の一人が債権者に対して反対債権を有する場合、その連帯債務者が相殺を援用しない間は、他の連帯債務者は、その連帯債務者の負担部分の限度で、債権者に対して債務の履行を拒むことができるにとどまります(民法439条2項)。改正前は他の連帯債務者が相殺を援用できるとされていましたが、改正後は履行拒絶権に改められました。「相殺を援用することができる」とする点が誤りです。
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【エ】誤り
連帯債務者の一人が弁済をして共同の免責を得たときは、その免責を得た額が自己の負担部分を超えるかどうかにかかわらず、他の連帯債務者に対し、各自の負担部分に応じた額の求償権を有します(民法442条1項)。負担部分を超えなければ求償できないとする点が誤りです。
【オ】正しい
連帯債務者の一人に対して債務の免除がされた場合でも、他の連帯債務者は、その一人の連帯債務者に対し、求償権を行使することができます(民法445条)。免除は相対的効力しかないので、他の連帯債務者は全額の弁済を求められ、全額を弁済すれば、免除を受けた者にも負担部分の求償ができます。
【組み合わせ】
誤っているのはウとエで、これを組とする (5) が正答です。
出典:2022年(令和4年度) 司法書士試験 午前の部 第16問(法務省 公表)出典元ページ
最終更新日
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