抵当不動産の第三取得者に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものの組合せは、後記1から5まで…
午前の部(民法) 午前の部 第14問
抵当不動産の第三取得者に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。ア 抵当不動産について所有権を買い受けた第三者が、抵当権者の請求に応じてその抵当権者にその代価を弁済したときは、抵当権は、その第三者のために消滅する。イ 抵当権の被担保債務の保証人が抵当不動産の所有権を取得した場合には、当該保証人は、抵当権消滅請求をすることができない。ウ 抵当不動産の第三取得者から抵当権消滅請求の書面の送付を受けた抵当権者が抵当権を実行して競売の申立てをするときは、法定の期間内に、債務者及び当該抵当不動産の譲渡人にその旨を通知しなければならない。エ 抵当不動産の第三取得者は、抵当権の実行としての競売において、買受人となることができない。オ 抵当不動産の第三取得者が抵当不動産について必要費を支出した場合において、抵当権の実行により抵当不動産が競売されたときは、当該第三取得者は、競売による抵当不動産の売却代金から抵当権者に優先してその支出した額の償還を受けることができない。
- (1)アウ
- (2)アエ
- (3)イウ
- (4)イオ
- (5)エオ
正答 (5)
正答は (5)。誤っているのはエとオです。
【ア】正しい
代価弁済の規定(民法第378条)のとおりです。抵当不動産について所有権又は地上権を買い受けた第三者が、抵当権者の請求に応じてその代価を弁済したときは、抵当権はその第三者のために消滅します。代価弁済は抵当権者の請求が出発点である点が、第三取得者から申し出る抵当権消滅請求との違いです。
【イ】正しい
民法第380条は、主たる債務者、保証人及びこれらの者の承継人は、抵当権消滅請求をすることができないと定めています。これらの者は、本来、債務の全額を弁済すべき立場にあるので、代価などの申出額で抵当権を消すことは認められません。保証人が抵当不動産の所有権を取得しても、抵当権消滅請求はできません。
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【ウ】正しい
民法第385条は、抵当権消滅請求の書面(第383条各号)の送付を受けた抵当権者が、送付を受けた後2か月以内(第384条第1号の期間)に抵当権を実行して競売の申立てをするときは、その期間内に、債務者及び抵当不動産の譲渡人にその旨を通知しなければならないと定めています。
【エ】誤り
民法第390条は、抵当不動産の第三取得者は、その競売において買受人となることができると定めています。第三取得者は債務者ではないので、買受人となることが認められています(債務者が買受けの申出をすることは民事執行法第68条で禁じられています)。
【オ】誤り
民法第391条は、抵当不動産の第三取得者が、抵当不動産について必要費又は有益費を支出したときは、第196条の区別に従い、抵当不動産の代価から、他の債権者より先にその償還を受けることができると定めています。費用の支出で抵当不動産の価値が保たれ又は増えているので、抵当権者にも優先して償還を受けられます。
【整理】
第三取得者を守る仕組み
代価弁済(第378条):抵当権者からの請求
抵当権消滅請求(第379条〜第386条):第三取得者からの請求(主たる債務者・保証人とその承継人は不可)
競売での買受け(第390条)、費用の優先償還(第391条)
誤っているのはエとオですから、正答は (5) です。
出典:2024年(令和6年度) 司法書士試験 午前の部 第14問(法務省 公表)出典元ページ
最終更新日
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