代理に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。…
午前の部(民法) 午前の部 第6問
代理に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。ア Aの代理人であるBが、その代理権の範囲内でAのためにすることを示さずにCとの間で契約を締結した場合において、BがAのために契約を締結することをCが知ることができたときは、AC間に契約の効力が生ずる。イ Aは、B及びCからあらかじめ許諾を得た場合には、B及びCの双方を代理してBC間の契約を締結することができる。ウ 委任による代理人は、本人の許諾を得た場合でなければ、復代理人を選任することができない。エ Aの代理人であるBが、Aの許諾を得て復代理人Cを選任し、Cがその代理権の範囲内でDとの間で契約を締結した場合において、CがDに対し、Aのために契約を締結することを示しただけで、自らが代理人Bによって選任された復代理人であることを示さなかったときは、AD間に契約の効力は生じない。オ 代理権は、代理人が後見開始の審判を受けたことによって消滅する。
- (1)アイ
- (2)アエ
- (3)イオ
- (4)ウエ
- (5)ウオ
正答 (4)
正答は (4)。誤っているのはウとエです。
【ア】正しい
代理人が本人のためにすることを示さないでした意思表示は、自己のためにしたものとみなされます。ただし、相手方が、代理人が本人のためにすることを知り、又は知ることができたときは、本人に対して直接に効力を生じます(民法100条)。記述はただし書の場面で、AC間に契約の効力が生じます。
【イ】正しい
同一の法律行為について当事者双方の代理人としてした行為は、代理権を有しない者がした行為とみなされますが、債務の履行及び本人があらかじめ許諾した行為は除かれます(民法108条1項)。BとCの双方からあらかじめ許諾を得ていれば、Aは双方を代理して契約を締結できます。
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【ウ】誤り
委任による代理人は、本人の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復代理人を選任することができません(民法104条)。本人の許諾がなくても、やむを得ない事由があれば選任できるので、「許諾を得た場合でなければ」と限定する点が誤りです。
【エ】誤り
復代理人は、その権限内の行為について、本人を代表します(民法106条1項)。復代理人は代理人の代理人ではなく本人の代理人なので、相手方に対しては本人Aのためにすることを示せば足ります(民法99条1項)。自らが代理人Bに選任された復代理人であることまで示す必要はなく、AD間に契約の効力が生じます。
【オ】正しい
代理権は、代理人の死亡、又は代理人が破産手続開始の決定若しくは後見開始の審判を受けたことによって消滅します(民法111条1項2号)。なお、本人について後見開始の審判があっても、法定の消滅事由にはなりません。
【まとめ】
誤っているのはウとエで、この組合せは (4) です。
【覚え方】
復代理人の選任の要件は、任意代理人なら「本人の許諾」か「やむを得ない事由」(104条)、法定代理人なら自己の責任でいつでも選任できる(105条)、と対比して覚えます。
出典:2025年(令和7年度) 司法書士試験 午前の部 第6問(法務省 公表)出典元ページ
最終更新日
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