更改に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。…
午前の部(民法) 午前の部 第18問
更改に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。ア 債権者Aに対して金銭債務を負っている画家Bが、Aとの間で、当該金銭債務に代えてAの肖像画を描く債務を発生させる旨の更改をしたときは、当該金銭債務及びこれを主たる債務とする保証債務は、いずれも消滅する。イ A、B及びCがDに対して連帯して900万円の貸金返還債務を負っている場合において、AがDとの間で、900万円の貸金返還債務に代えて甲土地の所有権を移転する債務を発生させる旨の更改をしたときであっても、B及びCは、Dに対して引き続き900万円の貸金返還債務を負う。ウ 債務者の交替による更改がされた場合において、更改後の債務者がその債務を弁済したときは、更改後の債務者は、更改前の債務者に対して求償権を取得する。エ 債権者の交替による更改は、更改前の債権者と更改後に債権者となる者との間の契約によってすることができる。オ 債務者の交替による更改がされた場合において、更改前の債務者が更改前の債務を担保するために抵当権を設定していたときは、債権者は、更改前の債務者の承諾がある場合に限り、当該抵当権を更改後の債務に移すことができる。
- (1)アイ
- (2)アオ
- (3)イウ
- (4)ウエ
- (5)エオ
正答 (2)
正答は (2)。正しいのはアとオです。
【ア】正しい
当事者が従前の債務に代えて、給付の内容について重要な変更をする新たな債務を発生させる契約をしたときは、従前の債務は更改によって消滅します(民法513条1号)。金銭債務に代えて肖像画を描く債務を発生させるのは給付の内容の重要な変更に当たります。主たる債務が消滅すれば、保証債務も付従性によって消滅します。
【イ】誤り
連帯債務者の一人と債権者との間に更改があったときは、債権は、全ての連帯債務者の利益のために消滅します(民法438条)。Aが更改をすれば900万円の貸金返還債務は消滅し、B及びCも債務を免れます(その後、AはB・Cに求償できます)。
解説の続きをみる続きを閉じる
【ウ】誤り
債務者の交替による更改後の債務者は、更改前の債務者に対して求償権を取得しません(民法514条2項)。新債務者は自分の債務として新たに債務を負ったにすぎないからです。
【エ】誤り
債権者の交替による更改は、更改前の債権者、更改後に債権者となる者及び債務者の契約によってすることができます(民法515条1項)。債務者を加えた三者の契約が必要で、新旧の債権者の間の契約だけではできません。
【オ】正しい
債権者は、更改前の債務の目的の限度において、その債務の担保として設定された質権又は抵当権を更改後の債務に移すことができますが、第三者がこれを設定した場合には、その承諾を得なければなりません(民法518条1項)。債務者の交替による更改では、更改前の債務者は更改後の債務については第三者の立場にあるので、更改前の債務者が設定した抵当権を移すにはその承諾が必要です。なお、移転は、あらかじめ又は同時に更改の相手方に対してする意思表示によってしなければなりません(同条2項)。
【まとめ】
正しいのはアとオで、この組合せは (2) です。
【整理】
更改の3つの型:①給付の内容の重要な変更(513条1号)、②債務者の交替(同条2号。債権者と新債務者の契約でできる。514条1項)、③債権者の交替(同条3号。三者の契約。確定日付のある証書でなければ第三者に対抗できない。515条2項)。
出典:2025年(令和7年度) 司法書士試験 午前の部 第18問(法務省 公表)出典元ページ
最終更新日
「午前の部(民法)」のほかの問題
- 2021年(令和3年度) 午前の部 第21問親権に関する次のアからオまでの記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは,後記1
- 2022年(令和4年度) 午前の部 第14問権利質に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものの組合せは、
- 2023年(令和5年度) 午前の部 第7問不動産の物権変動に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものの
- 2023年(令和5年度) 午前の部 第21問未成年後見に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までの
- 2024年(令和6年度) 午前の部 第14問抵当不動産の第三取得者に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っている
- 2021年(令和3年度) 午前の部 第7問土地の所有権又は賃借権に基づく請求権に関する次のアからオまでの記述のうち,判例の趣旨に照
スポンサーリンク

