賃貸借に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。…
午前の部(民法) 午前の部 第19問
賃貸借に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。ア 賃貸不動産の譲渡により、賃貸人たる地位が譲渡人から譲受人に移転した場合には、譲受人は、敷金の返還に係る譲渡人の債務を承継する。イ Aに対して甲建物を賃貸している甲建物の所有者BがCに対して甲建物を譲渡し、B及びCが、賃貸人たる地位をBに留保する旨及び甲建物をCがBに賃貸する旨の合意をした後、CがBの債務不履行を理由としてBC間の賃貸借を解除したときは、Cは、Bとの間の賃貸借が終了したことを理由として、Aに対し、甲建物の明渡しを請求することができる。ウ 賃借人の責めに帰すべき事由によって賃借物の一部が滅失し、使用及び収益をすることができなくなった場合において、残存する部分のみでは賃借人が賃借をした目的を達することができないときは、賃借人は、賃貸借の解除をすることができる。エ 賃借物の修繕が必要である場合において、急迫の事情があるときは、賃借人は、賃貸人に修繕が必要である旨を通知しなくても、直ちにその修繕をすることができる。オ 賃借人は、賃貸人に対し、賃料債務を履行しなかったときは、賃貸借が終了する前であっても、敷金をその弁済に充てることを請求することができる。
- (1)アイ
- (2)アウ
- (3)イオ
- (4)ウエ
- (5)エオ
正答 (3)
正答は (3)。誤っているのはイとオです。
【ア】正しい
不動産の譲渡により賃貸人たる地位が譲受人に移転したときは、費用の償還に係る債務及び敷金の返還に係る債務は、譲受人又はその承継人が承継します(民法605条の2第4項)。
【イ】誤り
不動産の譲渡人と譲受人が、賃貸人たる地位を譲渡人に留保する旨及びその不動産を譲受人が譲渡人に賃貸する旨の合意をしたときは、賃貸人たる地位は譲受人に移転しません(民法605条の2第2項前段)。この場合、譲渡人と譲受人の間の賃貸借が終了したときは、譲渡人に留保されていた賃貸人たる地位は、譲受人又はその承継人に移転します(同項後段)。BC間の賃貸借が解除されると、Cが賃貸人たる地位を承継するだけで、Aの賃借権は存続します。CはAに明渡しを請求できません。
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【ウ】正しい
賃借物の一部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合に、残存する部分のみでは賃借人が賃借をした目的を達することができないときは、賃借人は、契約の解除をすることができます(民法611条2項)。賃料の減額(同条1項)と異なり、解除には「賃借人の責めに帰することができない事由によるもの」という限定がありません。目的を達することができない以上、賃借人に帰責事由があっても解除できます。
【エ】正しい
賃借物の修繕が必要である場合に、①賃借人が賃貸人に修繕が必要である旨を通知し、又は賃貸人がその旨を知ったのに、賃貸人が相当の期間内に必要な修繕をしないとき、②急迫の事情があるときは、賃借人はその修繕をすることができます(民法607条の2)。急迫の事情があれば、通知をしなくても直ちに修繕できます。
【オ】誤り
賃貸人は、賃借人が賃貸借に基づいて生じた金銭の給付を目的とする債務を履行しないときは、敷金をその債務の弁済に充てることができます。しかし、賃借人の側から、賃貸人に対し、敷金をその債務の弁済に充てることを請求することはできません(民法622条の2第2項)。
【まとめ】
誤っているのはイとオで、この組合せは (3) です。
出典:2025年(令和7年度) 司法書士試験 午前の部 第19問(法務省 公表)出典元ページ
最終更新日
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