Aは、配偶者Bと甲建物に居住していたが死亡した。この事例に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、…

午前の部(民法) 午前の部 第22問

Aは、配偶者Bと甲建物に居住していたが死亡した。この事例に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。ただし、アを除き、甲建物をAが単独で所有していたものとする。ア 甲建物をA及びBが共有していた場合であっても、Bは、遺産の分割によって甲建物の配偶者居住権を取得することができる。イ 遺産の分割によって、Bが甲建物の配偶者居住権を、Aの子Cが甲建物の所有権をそれぞれ取得した場合には、Cは、Bに対し、配偶者居住権の設定の登記を備えさせる義務を負う。ウ 配偶者居住権を取得したBは、甲建物を使用する必要がなくなったときは、甲建物の所有者の承諾を得ることなく、甲建物を第三者に賃貸して賃料収入を得ることができる。エ 配偶者居住権を取得したBは、甲建物のうち従前居住の用に供していなかった部分について、これを居住の用に供することはできない。オ 配偶者居住権を取得したBが善良な管理者の注意を怠って居住建物の使用又は収益をしたことによって生じた損害の賠償は、甲建物の所有者がBから甲建物の返還を受けた時から1年以内に請求しなければならない。

正答 (4)
正答は (4)。誤っているのはウとエです。 【ア】正しい 配偶者居住権は、被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に居住していた配偶者が、遺産の分割や遺贈によって取得するものですが、被相続人が相続開始の時に居住建物を配偶者以外の者と共有していた場合には、成立しません(民法1028条1項ただし書)。配偶者B自身との共有であれば、このただし書に当たらないので、Bは配偶者居住権を取得できます。 【イ】正しい 居住建物の所有者は、配偶者居住権を取得した配偶者に対し、配偶者居住権の設定の登記を備えさせる義務を負います(民法1031条1項)。
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【ウ】誤り 配偶者は、居住建物の所有者の承諾を得なければ、居住建物の改築若しくは増築をし、又は第三者に居住建物の使用若しくは収益をさせることができません(民法1032条3項)。配偶者居住権は譲渡もできません(同条2項)。 【エ】誤り 配偶者は、従前の用法に従い、善良な管理者の注意をもって居住建物の使用及び収益をしなければなりませんが、従前居住の用に供していなかった部分について、これを居住の用に供することは妨げられません(民法1032条1項ただし書)。 【オ】正しい 配偶者居住権には使用貸借の規定の一部が準用され(民法1036条)、契約の本旨に反する使用又は収益によって生じた損害の賠償は、所有者が建物の返還を受けた時から1年以内に請求しなければなりません(民法600条1項の準用)。 【まとめ】 誤っているのはウとエで、この組合せは (4) です。 【見分け方】 配偶者居住権は「配偶者自身が住むための権利」です。住む範囲を広げる(居住していなかった部分を居住に使う)のは自由ですが、第三者に使わせる・増改築する・譲渡するのは所有者の承諾が必要か、そもそもできない、と整理します。

出典:2025年(令和7年度) 司法書士試験 午前の部 第22問(法務省 公表)出典元ページ

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