気団の変質について正しいものはどれか。…
航空気象 第8問
気団の変質について正しいものはどれか。
- (1)気団が発現地を離れて移動し、その経路の地表面の特性を次第に獲得することで気団の特性が変化していくことである。
- (2)気団の変質は熱力学的作用で起こるものであり力学的作用では起きない。
- (3)気団の変質は一般に安定化(安定度が増加)するように特性が変化し、不安定化するような変化はほとんど起きない。
- (4)気団の変質例として、気温が14時頃に最高となり日出頃最低となる日変化がある。
正答 (1)
正答は (1)。発現地を離れて地表面の特性を獲得することです。
【気団の変質とは】
気団は、広い範囲の一様な地表面(海や大陸)の上に空気が長くとどまることで、その地表面の温度と湿りを受け取ってできます。この場所を発現地といいます。
気団が発現地を離れて移動すると、
新しい経路の地表面の特性を次第に獲得する
ことで性質が変わっていきます。これが気団の変質です。
【典型例 ―― 冬の季節風】
シベリア気団 …… 寒冷・乾燥(大陸上で発現)
↓ 日本海を渡る
下から暖かく湿った海面に熱と水蒸気を奪う
解説の続きをみる続きを閉じる
↓
日本海側 …… 筋状の雲、大雪
もとは乾いた空気が、日本海を数百キロ渡るあいだに大量の水蒸気を受け取り、雪雲を作るまでに変わります。
【(2)が誤り ―― 力学的作用でも起きる】
変質の要因は熱力学的作用だけではありません。
熱力学的作用 …… 加熱、冷却、水蒸気の供給
力学的作用 …… 山越えによる昇降、収束・発散に
伴う沈降や上昇
山を越えて下降した空気が昇温・乾燥する現象(フェーン)は、力学的作用による変質の代表例です。
【(3)が誤り ―― 不安定化もする】
下から暖められれば不安定化し、下から冷やされれば安定化します。どちらも普通に起こります。
冷たい気団が暖かい海上へ → 下から加熱 → 不安定化
暖かい気団が冷たい地面上へ → 下から冷却 → 安定化
先ほどの冬の季節風は、まさに不安定化の例です。「安定化しか起きない」という記述は成り立ちません。
【(4)が誤り ―― 日変化は変質ではない】
気温が14時頃に最高、日出頃に最低となるのは、地表付近の気温の日変化です。
日変化 …… 同じ場所での1日の周期的な変動
気団の変質 …… 気団が移動することで
性質そのものが変わること
日変化は毎日繰り返される可逆的な変動で、気団の性質が書き換わるわけではありません。
【変質を見分けるこつ】
移動しているか
地表面の性質が変わったか
この二つがそろっていれば変質です。同じ場所にとどまったままの変化は、変質とは呼びません。
出典:令和5年3月期 航空従事者学科試験 運航管理者 航空気象 問8(国土交通省 公表)出典元ページ
最終更新日
この問題はほかの試験・回でも出ています
「航空気象」のほかの問題
- 令和2年3月期 第8問熱帯収束帯(ITCZ)に関する記述で誤りはどれか。
- 令和2年7月期 第18問空港気象ドップラーライダーに関する説明で誤りはどれか。
- 令和3年7月期 第8問傾度風についての記述(a)~(d)のうち、正しいものはいくつあるか。(1)~(5)の中か
- 令和4年3月期 第17問初期突風について(a)~(d)のうち、正しいものはいくつあるか。(1)~(5)の中から選
- 令和5年7月期 第7問mTw気団の特徴で正しいものはどれか。
- 平成31年3月期 第17問飛行場気象情報が発表される飛行場において注意を喚起する必要がある場合の気象現象として誤り
スポンサーリンク

