エックス線管及びエックス線の発生に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。…
エックス線の管理に関する知識 第1問
エックス線管及びエックス線の発生に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)エックス線管の内部は、効率的にエックス線を発生させるため、高度の真空になっている。
- (2)陰極で発生する熱電子の数は、フィラメント電流を変えることで制御される。
- (3)陽極のターゲットはエックス線管の軸に対して斜めになっており、エックス線が発生する領域である実焦点より、これをエックス線束の利用方向から見た実効焦点の方が小さくなるようにしてある。
- (4)連続エックス線の発生効率は、ターゲット元素の原子番号と管電流との積にほぼ比例する。
- (5)管電圧がターゲット元素に固有の励起電圧を超える場合、発生するエックス線は、制動放射による連続エックス線と線スペクトルを示す特性エックス線が混在したものになる。
正答 (4)
正答は (4)。これが誤りです。
連続エックス線の発生効率は、ターゲット元素の原子番号と管電圧との積にほぼ比例します。「管電流との積」ではありません。
【効率と全強度の違い】
発生効率 ∝ 原子番号 × 管電圧
全強度 ∝ 原子番号 × 管電圧² × 管電流
管電流は、全強度には効きますが、効率には効きません。
【なぜ管電流が効率に関係しないのか】
効率 = 投入した電力のうち、どれだけがエックス線になったか
管電流を2倍にすれば、投入電力も2倍、出てくるエックス線も2倍です。割合(効率)は変わりません。
解説の続きをみる続きを閉じる
電子の数が増えても、一個あたりの変換効率は同じ
だから、効率を上げたいなら管電圧を上げるか、原子番号の大きいターゲットを使うほかありません。
【ほかの選択肢】
(1) エックス線管の内部は、高度の真空になっている
正しい
(2) 陰極で発生する熱電子の数は、フィラメント電流を変える
ことで制御される 正しい
(3) 実焦点より、これを利用方向から見た実効焦点のほうが
小さくなるようにしてある 正しい
(5) 管電圧が励起電圧を超える場合、制動放射による連続
エックス線と線スペクトルを示す特性エックス線が混在
正しい
【高真空でなければならないわけ】
気体があると、電子が途中でぶつかって失速する
【実焦点と実効焦点】
ターゲットを斜めにすることで、実焦点は広く(熱が分散)、実効焦点は小さく(鮮明な写真)という、両立しにくい二つを同時に満たしています。
【二つのスペクトル】
連続エックス線 波長が連続的に分布(制動放射)
特性エックス線 とびとびの波長(線スペクトル)
軌道間のエネルギー差は決まった値しかとりません。だから特定の波長にだけ鋭く現れます。
【効率のおおよその値】
管電圧100kV、タングステンで1%に届かない
電子の運動エネルギーの99%以上は熱に変わります。
出典:エックス線作業主任者 2023年上半期実施分(2023年10月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)出典元ページ
この問題と解説は当サイトの責任で掲載しています。内容について、安全衛生技術試験協会へのお問い合わせはできません。
最終更新日
「エックス線の管理に関する知識」のほかの問題
- 2023年下半期(2024年4月公表) 第1問エックス線に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 2023年下半期(2024年4月公表) 第9問エックス線を利用する装置とその原理との組合せとして、誤っているものは次のうちどれか。
- 2024年上半期(2024年10月公表) 第7問単一エネルギーで太い線束のエックス線が物質を透過するときの減弱及び再生係数(ビルドアップ
- 2024年下半期(2025年4月公表) 第5問単一エネルギーで太い線束のエックス線が物質を透過するときの減弱及び再生係数(ビルドアップ
- 2025年上半期(2025年10月公表) 第3問エックス線装置について、次のAからDのように条件を変化させるとき、発生する連続エックス線
- 2025年下半期(2026年4月公表) 第1問エックス線に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
スポンサーリンク

