溶接アークの性質に関する記述について、適切でないものは次のうちどれか。…
溶接施行方法の概要に関する知識 第12問
溶接アークの性質に関する記述について、適切でないものは次のうちどれか。
- (1)直流アークの場合、陽極点は、比較的広い面積が輝き、電極を移動すると陽極点も移動する。
- (2)一般に、直流電源を用いる場合のティグ溶接及びプラズマアーク溶接のように、非消耗電極式の溶接法では、棒マイナスを用いる。
- (3)交流の場合は、周波数の1/2だけアークが明滅するため、アークの維持が困難であり、無負荷電圧を高くしたり、高周波電流を併用するなど、アークの安定化を図る必要がある。
- (4)アークによる電極間の熱の分布は、直流では、一般に、陽極側に60~70%程度、陰極側に25~30%程度の発熱になるとされている。
- (5)アーク流は、電子及びイオンの流れであり、電流の磁気作用によって動揺する傾向があり、これをアークブローや磁気吹きという。
正答 (3)
正答は (3)。これが適切でありません。
交流の場合、アークは周波数の1/2ではなく2倍だけ明滅します。
交流は1周期に2回、電流がゼロになります。50Hzなら1秒に100回、アークが消えかかる計算です。
【ほかの選択肢】
(1) 直流アークの場合、陽極点は比較的広い面積が輝き、電極を
移動すると陽極点も移動する 正しい
(2) 直流電源を用いる場合のティグ溶接及びプラズマアーク溶接の
ように、非消耗電極式の溶接法では、棒マイナスを用いる 正しい
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(4) アークによる電極間の熱の分布は、直流では陽極側に60〜70%
程度、陰極側に25〜30%程度 正しい
(5) アーク流は電子及びイオンの流れであり、電流の磁気作用によって
動揺する傾向があり、これをアークブローや磁気吹きという
正しい
【1周期に2回ゼロを通る】
交流は、プラスの山とマイナスの山が交互に来る
山と山の間で、必ず電流がゼロになります。周波数が50Hzなら、1秒間に50周期、ゼロを通るのは100回です。これを「周波数の2倍だけ明滅する」といいます。
【だから交流は安定させにくい】
消えかかるたびに、また点け直さなければならない
無負荷電圧を高くしたり、高周波電流を重ねたりして支えます。
【非消耗電極式で棒マイナスを使うわけ】
陽極側の発熱が大きいので、電極をプラスにすると溶け落ちる
ティグもプラズマアークも、電極(タングステン)を溶かしません。だから電極を陰極(マイナス)にします。
【磁気吹き】
電流のまわりの磁界が偏ると、アークが押されて曲がる
向きの変わらない直流で起きやすく、交流では打ち消されます。アークブローとも呼ばれます。
出典:特別ボイラー溶接士 2025年下半期実施分(2026年4月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)出典元ページ
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