次の文章は,変圧器のY-Y 結線方式の特徴に関する記述である。一般に,変圧器のY-Y 結線は,一次,二次側の中性点を接地…

電力 第6問

次の文章は,変圧器のY-Y 結線方式の特徴に関する記述である。一般に,変圧器のY-Y 結線は,一次,二次側の中性点を接地でき,1 線地絡などの故障に伴い発生する[ア]の抑制,電線路及び機器の絶縁レベルの低減,地絡故障時の[イ]の確実な動作による電線路や機器の保護等,多くの利点がある。一方,相電圧は[ウ]を含むひずみ波形となるため,中性点を接地すると,[ウ]電流が線路の静電容量を介して大地に流れることから,通信線への[エ]障害の原因となる等の欠点がある。このため,[オ]による三次巻線を設けて,これらの欠点を解消する必要がある。上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

正答 (3)
正答は (3)。 【空白(ア) 異常電圧】 中性点を接地する第一の目的は、1線地絡などの故障が起きたときに健全相の対地電圧が異常に上昇するのを抑えることです。中性点を接地していないと、1線地絡時に健全相の対地電圧は3 の平方根 倍、すなわち線間電圧の大きさまで上がります。接地しておけばこの上昇を抑えられるので、電線路や機器の絶縁レベルを下げることができます。問題文が続けて「電線路及び機器の絶縁レベルの低減」を挙げていることからも、ここで抑えているのは電流ではなく電圧だと分かります。よって(ア)を「異常電流」としている(1)(5)は外れます。
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【空白(イ) 保護リレー】 中性点を接地すると、地絡故障時に十分な大きさの地絡電流が流れるので、保護リレー(保護継電器)が確実に動作して故障区間を切り離せます。避雷器は雷サージから機器を守る装置であって、地絡故障を検出して電線路や機器を保護するものではありません。よって(イ)を「避雷器」としている(1)(4)は外れます。 【空白(ウ) 第三調波】 変圧器の鉄心は磁気飽和するため、正弦波の磁束を作ろうとすると励磁電流にひずみが生じ、とくに第三調波が多く含まれます。三相では各相の第三調波が同相になるので、Δ結線があればその中を環流して外に出ませんが、Y-Y結線にはその逃げ場がありません。その結果、相電圧が第三調波を含むひずみ波形になります。第二調波は正負が対称な波形には現れないので、ここには当てはまりません。よって(ウ)を「第二調波」としている(1)(5)は外れます。 【空白(エ) 電磁誘導】 中性点を接地すると、同相である第三調波の電流が線路の対地静電容量を通って大地へ流れます。この電流は三相とも同じ向きなので打ち消し合わず、線路のまわりに交番磁界を作って、並行する通信線に電圧を誘導します。これが電磁誘導障害です。静電誘導障害は、電線と通信線との静電容量を通じて通信線に電位が現れる現象で、電流ではなく電圧が原因です。問題文が「(ウ)電流が……大地に流れることから」と書いているので、電流が原因となる電磁誘導のほうです。よって(エ)を「静電誘導」としている(1)(5)は外れます。 【空白(オ) Δ結線】 この欠点を解消するために、負荷をつながない三次巻線をΔに結線して設けます。Δの輪の中で第三調波が環流し、外部へ出なくなります。安定巻線とも呼ばれ、所内電源や調相設備の接続にも使われます。Y結線の三次巻線では輪ができないので効果がありません。よって(オ)を「Y結線」としている(2)(5)は外れます。 【結論】 異常電圧・保護リレー・第三調波・電磁誘導・Δ結線 の (3) が正答です。

出典:令和5年度下期第三種電気主任技術者 電力科目 問6(一般財団法人 電気技術者試験センター 公表)出典元ページ

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