次の文章は,配電線路の電圧調整に関する記述である。誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。…
電力 第7問
次の文章は,配電線路の電圧調整に関する記述である。誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- (1)太陽電池発電設備を系統連系させたときの逆潮流による配電線路の電圧上昇を抑制するため,パワーコンディショナには,電圧調整機能を持たせているものがある。
- (2)配電用変電所においては,高圧配電線路の電圧調整のため,負荷時電圧調整器(LRA)や負荷時タップ切換装置付変圧器(LRT)などが用いられる。
- (3)低圧配電線路の力率改善をより効果的に実施するためには,低圧配電線路ごとに電力用コンデンサを接続することに比べて,より上流である高圧配電線路に電力用コンデンサを接続した方がよい。
- (4)高負荷により配電線路の電圧降下が大きい場合,電線を太くすることで電圧降下を抑えることができる。
- (5)電圧調整には,高圧自動電圧調整器(SVR)のように電圧を直接調整するもののほか,電力用コンデンサや分路リアクトル,静止形無効電力補償装置(SVC)などのように線路の無効電力潮流を変化させて行うものもある。
正答 (3)
正答は (3)。
【誤りの選択肢 (3)】
「低圧配電線路ごとに電力用コンデンサを接続することに比べて、より上流である高圧配電線路に電力用コンデンサを接続した方がよい」が誤りです。向きが逆です。力率改善用のコンデンサは、遅れ無効電流を打ち消すためのものですから、できるだけ負荷に近い場所、すなわち下流に設けるほうが効果的です。負荷のすぐ近くに置けば、そこから上流のすべての区間で無効電流が流れなくなるので、電圧降下も電力損失も広い範囲にわたって減らせます。逆に上流側の高圧配電線路に置いたのでは、そこより下流の低圧配電線路には相変わらず遅れ無効電流が流れ続けることになり、その区間の損失や電圧降下は改善されません。
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【正しい選択肢の確認】
(1) 太陽電池発電設備の逆潮流によって連系点の電圧が上がりすぎるとき、
パワーコンディショナが力率を進めたり有効電力を絞ったりして電圧の上昇を抑える機能を持つものがあります。正しい記述です。
(2) 配電用変電所では、負荷時電圧調整器や
負荷時タップ切換装置付変圧器によって、運転を止めずに二次側母線の電圧を調整します。正しい記述です。
(4) 電線を太くすれば単位長さ当たりの抵抗が小さくなるので、
電圧降下を抑えられます。
電圧降下 ≒ 3 の平方根 × I × (R × cosθ + X × sinθ)
抵抗R は断面積に反比例するからです。正しい記述です。
(5) 電圧調整の方法は、大きく二つに分かれます。
一つは、高圧自動電圧調整器のようにタップを切り換えて電圧そのものを直接動かす方法。もう一つは、電力用コンデンサ、分路リアクトル、静止形無効電力補償装置のように、線路を流れる無効電力を変えることでリアクタンスによる電圧降下を加減する方法です。正しい記述です。
【力率改善の効果を式で見る】
負荷の有効電力をP、力率をcosθ とすると、線電流は
I = P ÷ (3 の平方根 × V × cosθ)
力率を改善すればI が減り、電力損失は
P損 = 3 × R × I の2乗
より2乗で減ります。この減少が生じるのは、コンデンサを置いた点より上流の区間だけです。だからこそ、できるだけ負荷側に置くのが有利になります。
出典:令和5年度下期第三種電気主任技術者 電力科目 問7(一般財団法人 電気技術者試験センター 公表)出典元ページ
最終更新日
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