潜水業務における健康管理に関し、誤っているものは次のうちどれか。…
高気圧障害 第29問
潜水業務における健康管理に関し、誤っているものは次のうちどれか。
- (1)潜水業務に常時従事する労働者に対する健康診断では、圧力の作用を大きく受ける四肢の運動機能などの検査のほか、必要な場合は、作業条件調査などを行う。
- (2)健康診断において行われる関節部のエックス線直接撮影による検査は、骨壊死のチェックのためで、通常、股関節、肩関節、膝関節など侵されやすい部位が対象となる。
- (3)前日の飲酒により体内にアルコールが残った状態で潜水すると、減圧症や低体温症の発症リスクが高くなる。
- (4)空気塞栓症のリスクを評価する指標としてUPTD(肺酸素毒性量単位)があり、1日のばく露量が一定の値以下となるように管理する必要がある。
- (5)減圧症の再圧治療が終了した後しばらくは、体内にまだ余分な窒素が残っているので、そのまま再び潜水すると減圧症を再発するおそれがある。
正答 (4)
正答は (4)。これが誤りです。
UPTD(肺酸素毒性量単位)は、「肺酸素中毒」のリスクを評価する指標です。空気塞栓症の指標ではありません。
UPTD は、どれだけ高い酸素分圧に、どれだけ長くさらされたかを積み上げて数える単位です。酸素は潜水に欠かせませんが、高い分圧に長くさらされると肺を傷めます。そこで 1 日あたりのばく露量に上限を設け、その範囲に収まるよう管理します。
空気塞栓症は、これとはまったく別のものです。浮上時に息を止めるなどして肺が過膨張し、破れた肺胞から空気が血管に入って起こります。量を積み上げて管理する性質のものではなく、一度の操作の誤りで起こります。
解説の続きをみる続きを閉じる
ほかの選択肢はいずれも正しい記述です。
(1) 高気圧業務健康診断では四肢の運動機能などを調べ、
必要な場合は作業条件調査などを行う
(2) 関節部のエックス線直接撮影は骨壊死の確認のため。
股関節、肩関節、膝関節など侵されやすい部位が対象
(3) 前日の飲酒でアルコールが残った状態の潜水は、
減圧症や低体温症のリスクを高める
(5) 再圧治療が終わったあとしばらくは体内に余分な窒素が残るので、
そのまま潜水すると再発のおそれがある
(3)は、アルコールの二つの作用によります。利尿作用で脱水になれば血液が濃くなって循環が悪くなり、窒素が抜けにくくなります。また血管を広げるので体表から熱が逃げやすくなり、低体温症を招きます。
潜水者の健康管理
健康診断 四肢の運動機能、関節・腰・下肢の痛み、
鼓膜及び聴力、血圧、尿中の糖と蛋白、肺活量
エックス線 関節部の直接撮影で骨壊死を確認。
股関節、肩関節、膝関節など
UPTD 肺酸素毒性量単位。肺酸素中毒のリスク指標
飲酒 前日の飲酒は脱水と血管拡張を招き、
減圧症と低体温症のリスクを高める
再圧治療後 体内に窒素が残るため、しばらくは潜水を控える
潜水後の飛行 気圧の低い機内で減圧症が誘発される。
一定の時間を空ける
出典:高気圧作業安全衛生規則 第38条、潜水業務従事者の健康管理
出典:潜水士 2024年上半期実施分(2024年10月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)出典元ページ
この問題と解説は当サイトの責任で掲載しています。内容について、安全衛生技術試験協会へのお問い合わせはできません。
最終更新日
「高気圧障害」のほかの問題
- 2024年下半期(2025年4月公表) 第29問医師が必要と認める期間、潜水業務への就業が禁止される疾病に該当しないものは次のうちどれか
- 2025年上半期(2025年10月公表) 第27問潜水業務における二酸化炭素中毒又は酸素中毒に関し、正しいものは次のうちどれか。
- 2025年下半期(2026年4月公表) 第25問潜水によって生じる圧外傷に関し、正しいものは次のうちどれか。
- 2023年上半期(2023年10月公表) 第23問人体の神経系に関し、誤っているものは次のうちどれか。
- 2023年下半期(2024年4月公表) 第21問肺換気機能に関し、誤っているものは次のうちどれか。
- 2023年下半期(2024年4月公表) 第29問再圧及び再圧室に関し、誤っているものは次のうちどれか。
スポンサーリンク

