放射線感受性に関する次の記述のうち、ベルゴニー・トリボンドーの法則に従っていないものはどれか。…
ガンマ線の生体に与える影響に関する知識 第31問
放射線感受性に関する次の記述のうち、ベルゴニー・トリボンドーの法則に従っていないものはどれか。
- (1)皮膚の基底細胞層は、角質層より感受性が高い。
- (2)小腸の腺窩細胞(クリプト細胞)は、絨毛先端部の細胞より感受性が高い。
- (3)リンパ球は、骨髄中だけでなく、末梢血液中においても感受性が高い。
- (4)骨組織は、一般に放射線感受性が低いが、小児では比較的高い。
- (5)神経組織から成る脳の放射線感受性は、成人では低いが、胎児では高い時期がある。
正答 (3)
正答は (3)。これがベルゴニー・トリボンドーの法則に従っていません。
リンパ球は、分裂を終えた成熟した細胞であるにもかかわらず、末梢血液中でも感受性が高いという性質を持ちます。法則の例外です。
【ベルゴニー・トリボンドーの法則】
細胞分裂の頻度が高いものほど感受性が高い
将来行う細胞分裂の数が多いものほど感受性が高い
形態・機能が未分化なものほど感受性が高い
分裂する細胞ほど弱いというのが基本です。末梢血液中のリンパ球は分裂していませんが、放射線に当たると死んでしまいます。
解説の続きをみる続きを閉じる
【ほかの選択肢(いずれも法則に従っている)】
(1) 皮膚の基底細胞層(分裂する)は、角質層(死んだ細胞)
より感受性が高い
(2) 小腸の腺窩細胞(盛んに分裂)は、絨毛先端部(分化
した細胞)より感受性が高い
(4) 骨組織は一般に感受性が低いが、小児では成長のため分裂が
盛んなので比較的高い
(5) 脳の神経組織は成人では低いが、胎児では分裂が盛んな
時期があるので高い
【リンパ球が例外なわけ】
成熟していても、放射線で間期死(分裂とは関係なく死ぬ)を起こす
ふつうの細胞は、分裂しようとしたときに傷が表に出て死にます(分裂死)。リンパ球は、分裂を待たずに死にます。
【リンパ球の性質が役立つ場面】
被ばく直後から減少する
被ばく線量を推定する手がかりになります。事故のときには、まずリンパ球数を調べます。
【法則の使い方】
分裂しているか、分化しているかを見る
この二つで、たいていの組織の感受性が説明できます。リンパ球だけが例外だと覚えておけば、この設問は解けます。
出典:ガンマ線透過写真撮影作業主任者 2024年上半期実施分(2024年10月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)出典元ページ
この問題と解説は当サイトの責任で掲載しています。内容について、安全衛生技術試験協会へのお問い合わせはできません。
最終更新日
「ガンマ線の生体に与える影響に関する知識」のほかの問題
- 2025年上半期(2025年10月公表) 第31問細胞の放射線感受性に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 2025年上半期(2025年10月公表) 第39問次のAからDの放射線による身体的影響について、その発症にしきい線量が存在するものの全ての
- 2025年下半期(2026年4月公表) 第37問放射線による身体的影響に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 2023年上半期(2023年10月公表) 第35問組織加重係数に関する次のAからDの記述のうち、正しいものの組合せは(1)~(5)のうちど
- 2023年下半期(2024年4月公表) 第33問生体に対する放射線効果に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 2024年下半期(2025年4月公表) 第31問細胞の放射線感受性に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
スポンサーリンク

