図は2 月のある日に、福井県にある気象庁の気象レーダー(福井レーダー)で観測したレーダーエコーである。この図について述べ…

専門知識 専門知識 問2

図は2 月のある日に、福井県にある気象庁の気象レーダー(福井レーダー)で観測したレーダーエコーである。この図について述べた次の文章の下線部(a)~(d)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①~⑤の中から1 つ選べ。上空では雪片だった降水粒子が、落下して周囲の気温が0℃となる高度を通過すると、融けて雨滴になる。雪片が融けて雨滴になる途中の状態は、(a)雨滴よりも粒が大きく、固体(雪)の表面が液体で覆われている状態で、いわゆる「みぞれ」である。降水粒子は、粒が小さいものより大きいものの方が、また、(b)液体の状態であるよりは固体である方が、気象レーダーの電波をよく反射する、という性質がある。図は、雪片が融解して雨滴に変わる「融解層」によって、局所的に環状の強いエコーが観測されたもので、(c)「エンゼルエコー」と呼ばれている。気象レーダーの観測はアンテナを一定の仰角で回転させて行われており、図のような環状のエコーが観測されたということは、(d)融解層がほぼ一定の高度で水平方向に広がっていたことを示している。

気象予報士 令和5年度第1回(第60回) 専門知識 問2の表
正答 ③
正答は ③。(a) 正・(b) 誤・(c) 誤・(d) 正 の組み合わせです。 【図の読み】 福井レーダー(×印)を中心に、半径およそ15〜20km の位置に環状の強いエコー(42〜50dBZ 程度、一部52dBZ)があり、その内側と外側はそれより弱いエコーになっています。 【下線部ごとの正誤】 (a) 正しい。融解層の中の降水粒子は、雪片の表面が水で覆われた状態で、とけて縮んだ後の雨滴より粒が大きくなっています。地上に落ちればみぞれにあたります。 (b) 誤り。同じ大きさなら、液体の水の方が氷(雪)よりずっと強くレーダーの電波を反射します(水の反射の強さは氷の約5倍)。融解層で強いエコーになるのは、粒が大きいうえに表面が水で覆われているためです。
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(c) 誤り。融解層に対応する強いエコーは「ブライトバンド」と呼ばれます。「エンゼルエコー」は、降水がないのに鳥や虫、大気の屈折率の乱れなどで現れるエコーのことです。 (d) 正しい。アンテナを一定の仰角で回すと、レーダーから同じ距離の所は同じ高さを観測しています。強いエコーがレーダーを中心とする環状に見えるのは、融解層がほぼ一定の高さで水平に広がっていることを示しています。 【ポイント】 ブライトバンドは、降水強度を実際より強く見積もる原因になります。冬の北陸では融解層が低いため、レーダーの近くに環状に現れやすくなります。

出典:令和5年度第1回(第60回)気象予報士試験 学科試験(予報業務に関する専門知識)問2(一般財団法人気象業務支援センター 公表・許諾を得て掲載)出典元ページ

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