有機リン系殺虫成分に関する記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組合せを一つ選べ。…

主な医薬品とその作用 第58問

有機リン系殺虫成分に関する記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組合せを一つ選べ。ジクロルボスやクロルピリホスメチルの殺虫作用は、( a )を分解する酵素と( b )に結合してその働きを阻害することによる。これらの殺虫成分は、ほ乳類や鳥類では速やかに排泄されるため毒性は比較的低いが、高濃度又は多量に曝露した場合には、神経の異常な興奮が起こり、( c )、呼吸困難、筋肉麻痺等の症状が現れるおそれがある。

正答 (5)
正答は (5)。(a)アセチルコリン、(b)不可逆的、(c)縮瞳です。 【有機リン系殺虫成分の作用の仕組み】 ジクロルボス、クロルピリホスメチル、ダイアジノン、フェニトロチオン、フェンチオン、トリクロルホン、プロペタンホスなどが有機リン系の殺虫成分です。 これらは、アセチルコリンを分解する酵素(アセチルコリンエステラーゼ)と不可逆的に結合して、その働きを阻害します。酵素が働かなくなるとアセチルコリンが分解されずに溜まり続け、神経が異常に興奮しっぱなしになって、虫は死にます。 【「不可逆的」がなぜ重要か】
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不可逆的とは、一度結びついたら離れないということです。この点が、次に述べるカーバメイト系との決定的な違いです。  有機リン系 …… アセチルコリンエステラーゼと不可逆的に結合  カーバメイト系(プロポクスル等)、オキサジアゾール系(メトキサジアゾン等)   …… アセチルコリンエステラーゼと可逆的に結合 不可逆的に結合するからこそ、有機リン系のほうが中毒が遷延しやすく、注意が必要です。 【(c)が縮瞳である理由】 アセチルコリンが過剰になると、副交感神経が過剰に働いた状態になります。副交感神経が瞳孔に働くと瞳孔は収縮しますから、中毒症状として現れるのは縮瞳です。散瞳ではありません。 副交感神経が優位になったときに起こることを思い出せば、機械的に覚えなくても導けます。  瞳孔 → 収縮(縮瞳)  気管・気管支 → 収縮 → 呼吸困難  唾液・気道分泌 → 増加  骨格筋では過剰刺激により筋肉麻痺 設問にある「縮瞳、呼吸困難、筋肉麻痺」は、まさにこの流れで説明できます。 【ほ乳類での毒性が比較的低い理由】 有機リン系殺虫成分は、ほ乳類や鳥類では速やかに排泄されるため、毒性は比較的低いとされています。ただし、高濃度又は多量に曝露した場合には、上記の中毒症状が現れるおそれがあり、そのような場合には医師の診断を受ける必要があります。

出典:登録販売者試験 令和元年度(関西広域連合 公表問題)出典元ページ

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