止瀉成分に関する記述について、正しいものを一つ選べ。…
主な医薬品とその作用 第36問
止瀉成分に関する記述について、正しいものを一つ選べ。
- (1)ビスマスを含む成分は、妊婦または妊娠していると思われる女性に対して使用が推奨される。
- (2)タンニン酸アルブミンは、まれに重篤な副作用としてショック(アナフィラキシー)を生じることがある。
- (3)ロペラミド塩酸塩配合の止瀉薬は、食あたりや水あたりによる下痢に用いる。
- (4)ベルベリンは、腸管内に生じた有害物質の吸着成分である。
- (5)収斂成分を主体とする止瀉薬は、腸粘膜を弛緩させることにより、腸粘膜を保護することを目的としている。
正答 (2)
正答は (2)。正しいのは選択肢2です。
【選択肢2が正しい ―― タンニン酸アルブミンとショック】
タンニン酸アルブミンは、腸粘膜のタンパク質と結合して不溶性の膜を形成し、腸粘膜を引き締める(収斂させる)ことにより、腸粘膜を保護する収斂成分です。
この成分には、まれに重篤な副作用としてショック(アナフィラキシー)を生じることがあります。
さらに重要なのは、タンニン酸アルブミンに含まれるアルブミンは、牛乳に含まれるタンパク質(カゼイン)を原料として作られているという点です。そのため、牛乳にアレルギーがある人では使用を避ける必要があります。
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【選択肢1が誤り ―― ビスマスと妊婦】
ビスマスを含む成分(次没食子酸ビスマス、次硝酸ビスマス等)は、妊婦又は妊娠していると思われる女性については、使用を避けることが望ましいとされています。
理由は、循環血液中に移行したビスマスが血液-胎盤関門を通過することが知られているためです。「使用が推奨される」という記述は正反対です。
ビスマスに関するその他の注意も押さえておきましょう。
1週間以上継続して服用しないこと
(海外で長期連用による精神神経症状の報告がある)
服用前後は飲酒しないこと(ビスマスの吸収が高まる)
胃潰瘍のある人は「相談すること」(吸収が高まるおそれ)
【選択肢3が誤り ―― ロペラミドは食あたりに使わない】
ロペラミド塩酸塩が配合された止瀉薬は、食あたりや水あたりによる下痢については適用対象ではありません。
ロペラミド塩酸塩は、腸管の運動を低下させる作用によって下痢を止めるものです。食あたりや水あたりのように、細菌や毒素を体外に出そうとして起こっている下痢を無理に止めれば、原因物質が腸内にとどまり、かえって状態を悪化させるおそれがあります。
ロペラミド塩酸塩が適するのは、食べ過ぎ・飲み過ぎによる下痢、寝冷えによる下痢です。また、15歳未満の小児には適用がありません。使用は短期間にとどめ、2日から3日間使用しても症状の改善がみられない場合には、医師の診療を受けるなどの対応が必要です。
【選択肢4が誤り ―― ベルベリンは腸内殺菌成分】
ベルベリン(ベルベリン塩化物、タンニン酸ベルベリン)は、腸内殺菌成分で、抗菌作用のほか抗炎症作用も併せもちます。吸着成分ではありません。
腸管内に生じた有害物質を吸着させる目的で用いられるのは、次の吸着成分です。
炭酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム
天然ケイ酸アルミニウム
ヒドロキシナフトエ酸アルミニウム
なお、ベルベリンはオウバクやオウレンの中に存在する物質で、これらの生薬が止瀉薬に配合されるのも同じ理由によります。
【選択肢5が誤り ―― 収斂は「引き締める」】
収斂成分を主体とする止瀉薬は、腸粘膜のタンパク質と結合して不溶性の膜を形成し、腸粘膜を引き締める(収斂させる)ことにより、腸粘膜を保護することを目的としています。
弛緩させるのではありません。「収斂」という言葉自体が「引き締める」という意味です。
なお、収斂成分を主体とする止瀉薬についても、細菌性の下痢や食中毒のときに使用して症状を悪化させるおそれがあるため、安易な使用は避けることとされています。
出典:登録販売者試験 令和2年度(関西広域連合 公表問題)出典元ページ
最終更新日
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