漢方処方製剤に関する記述の正誤について、正しい組合せを一つ選べ。…
主な医薬品とその作用 第55問
漢方処方製剤に関する記述の正誤について、正しい組合せを一つ選べ。a すべての漢方処方製剤は、作用が穏やかで、長期間(1ヶ月位)継続して服用しないと効果が得られない。b 漢方処方製剤を利用する場合、「証」の概念を良く理解し、漢方処方製剤が使用される人の体質と症状を十分に踏まえ、処方が選択されることが重要となる。c すべての漢方処方製剤は、処方に基づく生薬混合物の浸出液を濃縮して調製された乾燥エキス製剤を散剤等に加工して市販されている。d 漢方薬は、現代中国で利用されている中医学に基づく薬剤と同じものである。
- (1)a: 正 b: 正 c: 誤 d: 誤
- (2)a: 正 b: 誤 c: 正 d: 正
- (3)a: 誤 b: 正 c: 誤 d: 誤
- (4)a: 正 b: 誤 c: 正 d: 誤
- (5)a: 誤 b: 誤 c: 正 d: 正
正答 (3)
正答は (3)。(a)誤、(b)正、(c)誤、(d)誤です。
【(a)が誤り ―― 「すべて」ではない】
漢方処方製剤には、比較的速やかに効果が現れるものもあります。
芍薬甘草湯 …… こむら返りなどの
筋肉の急激な痙攣を伴う痛みに対し、比較的速やかに効果が現れる。
症状があるときのみの服用にとどめ、連用しない
酸棗仁湯 …… 1週間位服用して症状の改善がみられない場合には
服用を中止して専門家に相談する
「すべての漢方処方製剤は、作用が穏やかで、長期間(1か月位)継続して服用しないと効果が得られない」という言い切りが誤りです。
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そもそも、「すべて」「必ず」「一切」といった言い切りは、この試験ではほとんどの場合、誤り選択肢の目印になります。
【(b)正しい ―― 証の概念】
漢方処方製剤を利用する場合、「証」の概念をよく理解し、漢方処方製剤が使用される人の体質と症状を十分に踏まえ、処方が選択されることが重要です。
証とは、漢方医学における体質や症状の見立てのことで、陰陽、虚実、気血水、五臓といった観点から捉えられます。
一般用医薬品の添付文書では、一般の生活者にも分かるように、「証」を「体力中等度以上」「体力虚弱」といった表現で示しています。
証に合わない漢方処方製剤を使用すると、効果が得られないばかりか、副作用を生じやすくなります。
【(c)が誤り ―― 剤形は一つではない】
漢方処方製剤の剤形には、次のようなものがあります。
乾燥エキス製剤 …… 生薬混合物の浸出液を濃縮して調製し、
散剤や錠剤等に加工したもの
軟エキス剤
伝統的な丸剤、生薬をそのまま煎じて服用するもの
「すべての漢方処方製剤は…乾燥エキス製剤を散剤等に加工して市販されている」という言い切りが誤りです。
【(d)が誤り ―― 漢方薬と中薬は別物】
漢方薬は、日本の伝統医学である漢方医学で用いる薬剤です。現代中国で利用されている中医学に基づく薬剤(中薬)とは考え方が異なり、別物です。
漢方薬 …… 日本の漢方医学に基づく
中薬 …… 中国の中医学に基づく
韓方薬 …… 韓国の韓医学に基づく
いずれも生薬を用いますが、同一のものではありません。
【漢方処方製剤で押さえておくべきその他の事項】
用法用量において適用年齢の下限が設けられていない場合であっても、
生後3か月未満の乳児には使用しない
漢方処方製剤は、処方全体としての作用を見るもので、
個々の生薬成分の作用を個別に挙げて説明することは不適当
まれに肝機能障害や間質性肺炎のような重篤な副作用が
起きることがある
カンゾウ、マオウ、ダイオウを含むものは、
それぞれ偽アルドステロン症、心臓への負担、下痢に注意
「漢方は穏やかで副作用が少ない」というのは、一般の生活者によくある誤解であり、販売時に正しく伝えるべき事柄です。
出典:登録販売者試験 令和2年度(関西広域連合 公表問題)出典元ページ
最終更新日
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