点眼薬又は点鼻薬を使用する上での注意事項に関する記述について、正しいものの組合せを一つ選べ。…
人体の働きと医薬品 第71問
点眼薬又は点鼻薬を使用する上での注意事項に関する記述について、正しいものの組合せを一つ選べ。a 点鼻薬では鼻腔粘膜で吸収された成分は、初めに肝臓で代謝を受けて全身に分布する。b 一般用医薬品に分類される点鼻薬には、全身作用を目的とするものがある。c 点眼薬により、ショック(アナフィラキシー)等のアレルギー性の副作用を生じることがある。d 点眼薬が眼以外の部位に到達して起こる副作用を低減するためには、点眼の際に目頭の鼻涙管の部分を押さえることが有効である。
- (1)(a、b)
- (2)(a、c)
- (3)(b、d)
- (4)(c、d)
正答 (4)
正答は (4)。正しいのは(c)(d)の2つです。
【(a)が誤り ―― 点鼻薬は肝臓を通らない】
点鼻薬では、鼻腔粘膜で吸収された成分は、肝臓で代謝を受けることなく、直接循環血液中に入ります。
「初めに肝臓で代謝を受けて」という記述は誤りです。
肝初回通過効果を受けない投与経路を整理しておきます。
点鼻薬 …… 鼻粘膜から吸収
坐剤 …… 直腸粘膜から吸収
舌下錠、咀嚼剤 …… 口腔粘膜から吸収
貼付剤 …… 皮膚から吸収
注射薬 …… 直接循環血液中へ
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これに対して、経口投与された医薬品は、門脈を経由して肝臓で代謝を受けてから全身循環に入ります。
【(b)が誤り ―― 点鼻薬は局所作用を目的とする】
一般用医薬品に分類される点鼻薬は、いずれも局所作用を目的として用いられるものであり、全身作用を目的とするものはありません。
ただし、局所作用を目的としていても、全身性の副作用が生じることはあります。鼻粘膜から吸収された成分が、肝臓を通らずに循環血液中に入るためです。
たとえば、アドレナリン作動成分を含む点鼻薬では、過度に使用されると全身的な影響(血圧上昇など)が現れることがあります。
「局所作用が目的」と「全身性の副作用が出る」は両立する、という点を押さえてください。
【(c)正しい ―― 点眼薬でもアナフィラキシーが起こる】
点眼薬により、ショック(アナフィラキシー)等のアレルギー性の副作用を生じることがあります。
目薬だから全身の副作用は出ない、ということはありません。目の粘膜から吸収された成分や、鼻涙管を通って鼻粘膜から吸収された成分が、肝臓で代謝を受けずに循環血液中に入るためです。
そのほか、点眼薬による全身性の副作用として、皮膚の発疹、発赤、痒み、皮膚粘膜眼症候群などが報告されています。
【(d)正しい ―― 目頭を押さえる理由】
点眼薬が眼以外の部位に到達して起こる副作用を低減するためには、点眼の際に目頭の鼻涙管の部分を押さえることが有効です。
鼻涙管は、目と鼻をつなぐ管です。点眼した薬液は、ここを通って鼻や喉へ流れていきます。流れてしまうと、
目に留まる量が減って、効果が薄れる
鼻粘膜や喉の粘膜から吸収されて、全身性の副作用が出やすくなる
という二重の不都合があります。目頭を押さえるのは、この流出を防ぐためです。
【点眼の正しい手順】
容器の先端がまぶたやまつげに触れないようにして点眼する
1回1滴で十分(結膜嚢の容積は1滴の薬液量より小さい)
点眼後はしばらくまぶたを閉じ、目頭を軽く押さえる
まばたきを繰り返さない
他の人と共用しない
「まばたきをしない」と「目頭を押さえる」は、どちらも鼻涙管への流出を防ぐという同じ目的によるものです。理由から覚えれば、混同しません。
出典:登録販売者試験 令和2年度(関西広域連合 公表問題)出典元ページ
最終更新日
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