山岳波に関する記述の下線部(a)~(d)の正誤の組み合わせで正しいものはどれか。…

航空気象 第15問

山岳波に関する記述の下線部(a)~(d)の正誤の組み合わせで正しいものはどれか。風が大きな山の稜線を吹き越えるとき、山岳波が発生する。安定大気の中で風が風上側の山の斜面を吹き昇るときは、気流は比較的滑らかである。上昇気流ははじめは(a)湿潤断熱的に上昇冷却するので、山頂高度では自由大気より(b)暖かくなる。このため密度の(c)大きくなった山越え気流は、風下側では乱気流性の強い(d)上昇気流をつくる。

正答 (3)
正答は (3)。(a)誤、(b)誤、(c)正、(d)誤です。 【(a)が誤り ―― 乾燥断熱的】 風上斜面を吹き上がる気流は、飽和するまでは乾燥断熱的に上昇冷却します。「湿潤断熱的」ではありません。 乾燥断熱減率 …… 約1.0℃/100m 湿潤断熱減率 …… 約0.5℃/100m 雲ができる前の段階では、乾燥断熱減率で冷えていきます。 【(b)が誤り ―― 自由大気より冷たくなる】 乾燥断熱減率(1.0℃/100m)は、周囲の自由大気の気温減率(平均して約0.65℃/100m)より大きい値です。つまり山を昇る気流のほうが速く冷えるので、山頂高度では自由大気より冷たくなります。
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昇る気流 …… 100mにつき1.0℃下がる 周囲の大気 …… 100mにつき0.65℃下がる    → 昇るほど気流のほうが冷たくなっていく 記述(b)は「暖かくなる」としており、逆です。 【(c)が正しい ―― 密度が大きくなる】 冷えれば密度は大きくなります。周囲より冷たく重い空気の塊が山を越えることになります。 【(d)が誤り ―― 下降気流をつくる】 周囲より重い空気は、山を越えたあと沈み込みます。したがって風下側にできるのは下降気流です。「上昇気流」としている点が誤りです。 【山岳波の姿】 風上斜面 …… 比較的滑らかな上昇流 山頂付近 …… キャップ雲 風下側  …… 強い下降気流、その先に波動 波の頂部 …… レンズ雲 波の下部 …… ローター雲(最も激しい乱気流) 風下側で機体が押し下げられ、上昇に転じようとしても登れない――山岳波の事故はこの下降気流によるものです。(d)を「上昇気流」と読み違えると、危険の本質を取り違えます。

出典:平成31年3月期 航空従事者学科試験 運航管理者 航空気象 問15(国土交通省 公表)出典元ページ

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