雷雲の放電に関する記述で誤りはどれか。…
航空気象 第11問
雷雲の放電に関する記述で誤りはどれか。
- (1)雷雲の中で一度放電が行われると、たとえ雲頂高度が低下し雲頂温度が高くなっても放電は続く。
- (2)最も広範囲の水平放電は、最盛期の雷雲の中の0℃~+10℃の層で起こる。
- (3)放電回数最多の時期は、降雨強度最大の時期に続いて起こる。
- (4)雷雲はその最盛期で、雲頂高度が最高になったとき放電回数が最も多い。
正答 (2)
正答は (2)。放電が起こるのは氷点下の層です。
【(2)のどこが誤りか】
「0℃〜+10℃の層」という、0℃より暖かい範囲を示している点が誤りです。
雷雲の電荷分離は、過冷却水滴・氷晶・あられが混じり合う領域で起こります。これらが存在するのは0℃より冷たい層です。
【電荷分離の仕組み】
上昇流に乗ったあられと氷晶が衝突する
↓
接触したときに電荷がやりとりされる
↓
重いあられは下へ、軽い氷晶は上へ運ばれる
↓
雲の上部と下部で電荷が分かれる
この過程には、水と氷が共存する温度帯が不可欠です。0℃より暖かい層では氷晶もあられも存在できないので、電荷分離そのものが起こりません。
解説の続きをみる続きを閉じる
【(1)は正しい ―― 放電は継続する】
いったん放電が始まると、その後に雲頂高度が低下し雲頂温度が高くなっても、放電はしばらく続きます。
すでに蓄えられた電荷が残っているためで、「雲が衰え始めたから安全」とは言えないということです。
【(3)は正しい ―― 放電は降雨のあと】
放電回数が最も多くなる時期は、降雨強度が最大になる時期に続いて訪れます。
発達期 …… 上昇流が強い。電荷が蓄積されていく
最盛期 …… 降水が最大。下降流が始まる
↓
放電が最も多くなる
激しい雨が降り始めたあとに雷が最も激しくなる、という順序です。
【(4)は正しい ―― 雲頂最高時に最多】
雲頂高度が最も高くなった最盛期に、放電回数も最多になります。
雲が背高くなるほど、上下の電荷の分離が大きくなり、蓄えられる電位差も大きくなるためです。
【運航上の注意】
雷雲の真上を越えようとしない
雲頂が下がっても放電は続く
レーダーで見えている部分より広く避ける
放電は雲の外へも伸びるため、雲の縁を通るだけでも被雷することがあります。十分な距離を取って迂回してください。
【被雷したら】
被雷しても、機体はファラデーケージとして働くため機内の人は守られます。しかし、
レドームや翼端の損傷
航法装置・通信装置の異常
燃料系統への影響
の可能性があるため、着陸後の点検が必要です。
出典:令和4年7月期 航空従事者学科試験 運航管理者 航空気象 問11(国土交通省 公表)出典元ページ
最終更新日
この問題はほかの試験・回でも出ています
- 准定期運送用操縦士(飛行機) 令和元年7月期 第11問
- 定期運送用操縦士(飛行機) 令和元年7月期 第11問
- 運航管理者 令和元年7月期 第11問
- 准定期運送用操縦士(飛行機) 令和2年11月期 第14問
- 定期運送用操縦士(飛行機) 令和2年11月期 第14問
- 准定期運送用操縦士(飛行機) 令和4年3月期 第15問
- 定期運送用操縦士(飛行機) 令和4年3月期 第15問
- 運航管理者 令和4年3月期 第15問
- 准定期運送用操縦士(飛行機) 令和4年5月期 第15問
- 定期運送用操縦士(飛行機) 令和4年5月期 第15問
- 定期運送用操縦士(飛行機) 令和4年7月期 第11問
- 定期運送用操縦士(回転翼) 令和4年7月期 第11問
「航空気象」のほかの問題
- 令和2年3月期 第11問対流圏界面付近の等温線と等風速線について(a)~(d)のうち、正しいものはいくつあるか。
- 令和3年3月期 第1問大気の鉛直構成について誤りはどれか。
- 令和3年7月期 第11問梅雨前線について(a)~(d)の正誤の組み合わせで正しいものはどれか。(1)~(4)の中
- 令和4年3月期 第20問北半球における渦度の説明について正しいものはどれか。
- 令和5年7月期 第9問寒冷低気圧に関する記述の下線部(a)~(d)の正誤の組み合わせで正しいものはどれか。
- 平成31年3月期 第19問高層断面図に関する記述で誤りはどれか。
スポンサーリンク

