地球大気に関する記述で誤りはどれか。…
航空気象 第10問
地球大気に関する記述で誤りはどれか。
- (1)地球大気は、地表に近い下層ほど空気は圧縮されて、密度は大きい。
- (2)対流圏と成層圏の間では活発な対流混合があり、成層圏の空気は一年以内に対流圏の空気と入れ替わる。
- (3)平均的に見ると、対流圏では気温は高度と共にほぼ一定の割合で低くなるが、成層圏下部ではほとんど一定となり、高度20km以上では上昇に転じる。
- (4)成層圏底部では赤道上空に気温の最低域があり、中緯度に向け温度が高くなっている。
正答 (2)
正答は (2)。成層圏と対流圏の間に活発な対流混合はありません。
【成層圏という名前の意味】
成層圏は、上へ行くほど気温が上がる構造をしています。
上が暖かく、下が冷たい
→ 空気が上下に動きにくい
→ 層をなして安定している
だから「成層」圏と呼ばれます。対流混合はきわめて弱く、空気が入れ替わるには数年を要します。
【なぜ対流が起きないのか】
対流は、下が暖かく上が冷たいときに起こります。暖かい空気は軽いので浮き上がるからです。
対流圏 …… 下が暖かい → 対流が起こる
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成層圏 …… 上が暖かい → 対流が起こらない
二つの圏の名前は、この違いをそのまま表しています。
【成層圏で気温が上がる理由】
成層圏にはオゾン層があり、太陽からの紫外線を吸収して発熱します。
高度20km付近から上 …… オゾンによる加熱が効く
→ 気温が上昇に転じる
【(3)は正しい ―― 鉛直構造】
対流圏 …… 気温は高度とともにほぼ一定の割合で
低下(約6.5℃/km)
成層圏下部 …… 気温はほぼ一定
高度20km以上 …… 上昇に転じる
対流圏界面のすぐ上では、まだオゾンによる加熱が弱いため、気温は横ばいになります。
【(1)は正しい ―― 密度】
地表に近い下層ほど、上にある空気の重みで圧縮され、密度が大きくなります。
大気の質量の約半分は高度5.5km以下に、約9割は高度16km以下にあります。
【(4)は正しい ―― 成層圏底部の温度分布】
成層圏の底部(対流圏界面のあたり)では、赤道上空に気温の最低域があり、中緯度に向かって温度が高くなっています。
意外に思えますが、これは対流圏界面の高さの違いによるものです。
赤道 …… 圏界面が高い(約17km)
→ そこまで気温が下がり続ける → 最も冷たい
極 …… 圏界面が低い(約8km)
→ 早く下げ止まる → 赤道上空ほど冷えない
地表では赤道が最も暖かいのに、圏界面付近では赤道が最も冷たい。この逆転は、圏界面の高度差で説明できます。
【運航上の意味】
圏界面より下 …… 雲、対流、乱気流
圏界面より上 …… 安定。揺れにくい
巡航高度を決めるとき、圏界面の高さは重要な手がかりになります。
出典:令和4年7月期 航空従事者学科試験 運航管理者 航空気象 問10(国土交通省 公表)出典元ページ
最終更新日
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