放射線による遺伝的影響に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。…
エックス線の生体に与える影響に関する知識 第40問
放射線による遺伝的影響に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- (1)生殖腺が被ばくしたときに生じる障害は、全て遺伝的影響である。
- (2)生殖腺が被ばくしなければ、遺伝的影響が生じるおそれはない。
- (3)親の体細胞に突然変異が生じると、子孫に遺伝的影響が生じる。
- (4)胎内被ばくを受け、出生した子供にみられる発育遅延は、遺伝的影響である。
- (5)倍加線量は、放射線による遺伝的影響を推定する指標とされ、その値が小さいほど遺伝的影響は起こりにくい。
正答 (2)
正答は (2)。生殖腺が被ばくしなければ、遺伝的影響が生じるおそれはありません。
【遺伝的影響が起こる条件】
生殖細胞(精子・卵子のもと)の突然変異
遺伝的影響とは、子孫に現れる影響です。子孫に伝わるのは生殖細胞の情報だけですから、生殖腺が被ばくしなければ起こりようがありません。
手だけを被ばくしても、子に影響は伝わりません。
【ほかの選択肢】
(1) 生殖腺が被ばくしたときに生じる障害には、不妊(身体的影響)
もある → 「全て遺伝的影響」は誤り
(3) 親の体細胞の突然変異では、子孫に遺伝的影響は生じない
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(4) 胎内被ばくによる発育遅延は、被ばくした胎児自身に現れる
身体的影響
(5) 倍加線量は、その値が小さいほど遺伝的影響が起こりやすい
【(1)と(2)の違い】
(1) 生殖腺の被ばく → 全て遺伝的影響 → 誤り
(2) 生殖腺の被ばくなし → 遺伝的影響なし → 正しい
生殖腺の被ばくは、遺伝的影響の必要条件ではあるが、そこで生じる障害がすべて遺伝的影響とは限らない
生殖腺には、生殖細胞とそのほかの組織があります。
生殖細胞が傷つく → 遺伝的影響(子孫に現れる)
生殖腺そのものが傷つく → 不妊(本人に現れる)
不妊は身体的影響です。
【(3)が誤りなわけ】
体細胞の突然変異 → その人自身のがんなど
生殖細胞の突然変異 → 子孫への遺伝的影響
皮膚や肺の細胞がどう変異しても、子には伝わりません。
【(4)が誤りなわけ】
胎児は、母親の胎内で自分が被ばくした
その子自身に現れる影響ですから、身体的影響です。「胎内」という言葉から遺伝を連想させる引っかけです。
【(5)が誤りなわけ】
倍加線量 = 突然変異率を自然の2倍にする線量
値が小さい → 少ない線量で2倍になる → 起こりやすい
値が大きい → たくさん当てないと2倍にならない
→ 起こりにくい
値と起こりやすさは逆向きです。ヒトでは約1Gyと推定されています。
出典:エックス線作業主任者 2023年上半期実施分(2023年10月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)出典元ページ
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最終更新日
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