エックス線の直接作用と間接作用に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。…
エックス線の生体に与える影響に関する知識 第34問
エックス線の直接作用と間接作用に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- (1)エックス線光子と生体内の水分子を構成する原子との相互作用の結果生成されたラジカルが、直接、生体高分子に損傷を与える作用が直接作用である。
- (2)エックス線光子によって生じた二次電子が、生体高分子の電離又は励起を行うことによって、生体高分子に損傷を与える作用が間接作用である。
- (3)低LET放射線が生体に与える影響は、間接作用によるものより直接作用によるものの方が大きい。
- (4)生体中にシステイン、システアミンなどのSH基を有する化合物が存在すると放射線効果が軽減されることは、主に直接作用により説明される。
- (5)溶液中の酵素の濃度を変えて一定線量のエックス線を照射するとき、酵素の全分子のうち、エックス線の直接作用によって不活性化される分子の占める割合は、酵素の濃度によらず一定である。
正答 (5)
正答は (5)。これが正しい記述です。
溶液中の酵素の濃度を変えて一定線量のエックス線を照射するとき、直接作用によって不活性化される分子の占める割合は、酵素の濃度によらず一定です。
【なぜ濃度によらないのか】
直接作用は、放射線が酵素分子そのものに当たることで起こる
一分子に当たる確率は、まわりに他の分子がいくつあるかに関係しません。濃くても薄くても、当たる割合は同じです。
【間接作用は濃度で変わる】
ラジカルの数は、線量で決まっている
→ 酵素が薄い → 少ない分子にラジカルが集中
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→ 不活性化される割合が増える
→ 酵素が濃い → ラジカルが分散
→ 割合が減る
これが希釈効果です。濃度によって割合が変わるのは、間接作用の証拠になります。
【この設問の組み立て】
(5)は、その裏返しを述べています。直接作用なら濃度によらない。だから、濃度で変わる分は間接作用だと分かるのです。
【ほかの選択肢】
(1) ラジカルが生体高分子に損傷を与えるのは間接作用。
「直接作用」は誤り
(2) 二次電子が生体高分子の電離又は励起を行うのは直接作用。
「間接作用」は誤り
(3) 低LET放射線では、間接作用によるもののほうが大きい
(4) SH基をもつ化合物で効果が軽減されるのは、間接作用に
より説明される
【(1)と(2)が入れ替わっている】
水分子が出てきたら間接作用
生体高分子に直接なら直接作用
二つの定義を、そっくり入れ替えた記述です。
【(3)が誤りなわけ】
人体の約60~70%が水
放射線が体を通るとき、出会う確率が高いのは水分子です。低LET放射線(エックス線、ガンマ線)では、間接作用が主になります。
【(4)が誤りなわけ】
SH基をもつ物質は、ラジカルを先に捕まえてしまう
生体高分子に届く前に、ラジカルを消してしまいます。間接作用だからこそ、途中で邪魔ができるのです。直接作用なら、間に割って入る余地がありません。
【三つの効果はすべて間接作用の証拠】
温度効果・酸素効果・希釈効果
出典:エックス線作業主任者 2023年下半期実施分(2024年4月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)出典元ページ
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最終更新日
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