放射線による身体的影響に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。…
エックス線の生体に与える影響に関する知識 第36問
放射線による身体的影響に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)身体的影響には、その重篤度が、被ばく線量に依存するものとしないものがある。
- (2)白内障は、眼の水晶体上皮の被ばくによる障害で、晩発影響に分類される。
- (3)放射線による不妊は、晩発影響に分類される。
- (4)白血病以外の放射線による発がんは、一般に、がん好発年齢に達したころから増加するので、被ばく時の年齢が若いほど潜伏期が長くなる。
- (5)放射線による白血病は、被ばく線量が大きくなるほど潜伏期が短くなる。
正答 (3)
正答は (3)。これが誤りです。
放射線による不妊は、早期影響(急性影響)に分類されます。「晩発影響」は誤りです。
【早期影響と晩発影響】
早期影響(急性影響) 被ばくから数週間以内に現れる
脱毛、紅斑、造血機能の低下、不妊、放射線宿酔、消化管の障害
晩発影響 数か月以上たって現れる
白内障、再生不良性貧血、がん、白血病、胎児の発育遅延
【不妊が早期影響なわけ】
精子や卵子のもとになる細胞は、分裂が盛んで感受性が高い
被ばくすると比較的早く細胞が失われ、数週間のうちに影響が現れます。一時的不妊は数週間後から起こります。
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【(2)との読み比べ】
(2) 白内障は晩発影響 → 正しい
白内障は、水晶体の傷んだ細胞が少しずつ濁りを作るため、数年かかることもあります。同じ確定的影響でも、現れる時期が違うのです。
【ほかの選択肢】
(1) 身体的影響には、その重篤度が被ばく線量に依存するものと
しないものがある 正しい
(2) 白内障は、眼の水晶体上皮の被ばくによる障害で、晩発影響
正しい
(4) 白血病以外の発がんは、一般にがん好発年齢に達したころから
増加するので、被ばく時の年齢が若いほど潜伏期が長い
正しい
(5) 放射線による白血病は、被ばく線量が大きくなるほど
潜伏期が短くなる 正しい
【(1)の意味】
重篤度が線量に依存する → 確定的影響
重篤度が線量に依存しない → 確率的影響(がんなど)
身体的影響には、その両方が含まれます。がんは身体的影響でありながら確率的影響です。
【二つの分類は別の軸】
早期/晩発 現れるまでの時間
確定的/確率的 しきい値の有無
早期・確定的 脱毛、紅斑、不妊
晩発・確定的 白内障、再生不良性貧血
晩発・確率的 がん、白血病
確定的でも晩発のものがあります。この二つを混同しないことが要点です。
【潜伏期と年齢】
白血病 被ばく後2~3年から増え、7~8年で頂点
そのほかのがん 10年以上たってから増える
出典:エックス線作業主任者 2024年下半期実施分(2025年4月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)出典元ページ
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最終更新日
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