エックス線被ばくによる造血器官及び血液に対する影響に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。…
エックス線の生体に与える影響に関する知識 第37問
エックス線被ばくによる造血器官及び血液に対する影響に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- (1)末梢血液中の血球は、リンパ球を除いて、造血器官中の未分化な細胞より放射線感受性が低い。
- (2)造血器官である骨髄のうち、脊椎の中にあり、造血幹細胞の分裂頻度が極めて高いものは脊髄である。
- (3)末梢血液中の血球数の減少は、被ばく量が1Gy程度までは認められない。
- (4)末梢血液中のリンパ球は、被ばく直後、一時的に増加が認められる。
- (5)末梢血液中の赤血球の減少は貧血を招き、血小板の減少は感染に対する抵抗力を弱める原因となる。
正答 (1)
正答は (1)。これが正しい記述です。
末梢血液中の血球は、リンパ球を除いて、造血器官中の未分化な細胞より放射線感受性が低いとされています。
【ベルゴニー・トリボンドーの法則】
細胞分裂の頻度が高いほど感受性が高い
形態・機能が未分化なほど感受性が高い
造血器官の幹細胞は分裂し、まだ未分化。だから感受性が高い。一方、末梢血液に出てきた赤血球や血小板は、もう分裂しない完成した細胞なので、感受性は低くなります。
【リンパ球だけが例外】
分裂していないのに、放射線で速やかに死ぬ
間期死(分裂とは無関係な死)を起こすためで、この法則の有名な例外です。だから(1)に「リンパ球を除いて」という但し書きが付きます。
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【ほかの選択肢】
(2) 脊椎の中にあり造血を行うのは赤色骨髄。「脊髄」は神経の
組織であって、造血器官ではない
(3) 末梢血液中の血球数の減少は、0.25Gy(250mGy)程度から
認められる → 「1Gy程度までは認められない」は誤り
(4) 被ばく直後に一時的な増加が認められるのは、リンパ球を除く
白血球 → リンパ球は直後から減少する
(5) 血小板の減少は出血傾向を招く → 感染に対する抵抗力を
弱めるのは白血球の減少
【骨髄と脊髄】
骨髄 骨の中にあり、血液を作る
脊髄 背骨の中を通る、神経の束
読みも字も似ていますが、まったく別のものです。造血の話で「脊髄」と出てきたら誤りです。
【血球とその働き】
赤血球 酸素を運ぶ → 減ると貧血
白血球 細菌などと戦う → 減ると感染しやすくなる
血小板 血を止める → 減ると出血傾向
(5)は、白血球と血小板の働きを入れ替えています。
【減少が現れる順】
リンパ球 最も早い(間期死)
↓
顆粒球(好中球) 寿命が短い
↓
血小板
↓
赤血球 寿命が約120日と長い → 最も遅い
寿命の短い細胞から順に減っていきます。
【一時的に増えるわけ】
ストレスによって、貯蔵されていた顆粒球が血中に動員される
減る前に一度増えるので、数字だけ見ると回復したように見えます。
出典:エックス線作業主任者 2024年下半期実施分(2025年4月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)出典元ページ
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最終更新日
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