エックス線装置を用いて透過写真撮影を行う場合のエックス線の遮蔽及び散乱線の低減に関する次の記述のうち、誤っているものはど…

エックス線の管理に関する知識 第8問

エックス線装置を用いて透過写真撮影を行う場合のエックス線の遮蔽及び散乱線の低減に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

正答 (2)
正答は (2)。これが誤りです。 コンクリートの遮蔽体は、同程度の遮蔽効果を得るのに、鉛よりはるかに厚くしなければなりません。工業用エックス線のエネルギー(数十~数百keV)では、半価層で比べて数十倍になることもあります。「約2倍」ではありません。 【鉛とコンクリートの違い】 鉛      密度11.4g/cm³ 原子番号82 コンクリート 密度約2.3g/cm³ 主成分は軽い元素 → 密度だけで約5倍の差がある 光電効果は原子番号の4~5乗に比例するので、鉛のほうがけた違いによく遮蔽します。密度の差だけ見ても、2倍で済むはずがありません。
解説の続きをみる続きを閉じる
【それでもコンクリートを使うわけ】 施工が容易で安価 放射線装置室の壁のように、広い面積を厚くする場合は、鉛を使うと費用も重量も膨大になります。厚くできる場所なら、コンクリートのほうが現実的です。この部分の記述は正しく、倍率だけが誤っています。 【ほかの選択肢】 (1) 遮蔽体には、原子番号が大きく、密度の高い物質を用いるのが   よい                     正しい (3) 照射筒は、照射口に取り付けるラッパ状の遮蔽体で、   エックス線束及び散乱線が外部へ漏えいしないようにする                          正しい (4) 絞りは、エックス線束の広がりを制限し、必要な部分にだけ   照射するために用いる             正しい (5) ろ過板は、軟エックス線を硬化させる   正しい 【(1)との読み比べ】 (1) 遮蔽体には原子番号が大きく、密度の高い物質がよい → 原子番号も密度も効くと述べられている コンクリートは、そのどちらでも鉛に劣ります。二つとも劣っていて、厚さが2倍で済むというのは、つじつまが合いません。 【ろ過板の役目】 軟エックス線(低エネルギー成分)を吸収する → 線質が硬くなる(平均エネルギーが上がる) → 被写体で散乱されやすい成分が減る → 後方散乱線が減る 軟エックス線は透過力が弱く、写真には役立たずに散乱するだけです。あらかじめ取り除きます。 【絞りと照射筒】 どちらも「必要なところだけに当てる」ための道具です。

出典:エックス線作業主任者 2025年上半期実施分(2025年10月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)出典元ページ

この問題と解説は当サイトの責任で掲載しています。内容について、安全衛生技術試験協会へのお問い合わせはできません。

最終更新日

この回を通しで解く この分野を年度横断で解く

「エックス線の管理に関する知識」のほかの問題

  1. 2023年上半期(2023年10月公表) 第8問図Ⅰのように、鋼板に垂直に細い線束のエックス線を照射し、エックス線管の焦点から5mの位置
  2. 2023年下半期(2024年4月公表) 第6問次のAからDの事項について、単一エネルギーの細いエックス線束が、ある厚さの物体を透過する
  3. 2024年上半期(2024年10月公表) 第4問エックス線と物質との相互作用に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  4. 2024年下半期(2025年4月公表) 第2問特性エックス線に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  5. 2024年下半期(2025年4月公表) 第10問あるエックス線装置のエックス線管の焦点から1m離れた点における1cm線量当量率は16mS
  6. 2025年下半期(2026年4月公表) 第8問エックス線を利用した各種試験装置に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

問題文・解答の修正依頼

スポンサーリンク