次の文章は,風力発電に関する記述である。風力発電は,風のエネルギーによって風車で発電機を駆動し発電を行う。風車は回転軸の…
電力 第5問
次の文章は,風力発電に関する記述である。風力発電は,風のエネルギーによって風車で発電機を駆動し発電を行う。風車は回転軸の方向により水平軸風車と垂直軸風車に分けられ,大電力用には主に(ア) 軸風車が用いられる。風がもつ運動エネルギーは風速の (イ) 乗に比例する。また,プロペラ型風車を用いた風力発電で取り出せる電力は,損失を無視すると風速の (ウ) 乗に比例する。風が得られれば電力を発生できるため,発電するときに二酸化炭素を排出しない再生可能エネルギーであり,また,出力変動の (エ) 電源とされる。発電機には誘導発電機や同期発電機が用いられる。同期発電機を用いてロータの回転速度を可変とした場合には,発生した電力は (オ) を介して電力系統へ送電される。上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。(ア)(イ)(ウ)(エ) (オ)
- (1)水平 2 2 小さい増速機
- (2)水平 2 3 大きい 電力変換装置
- (3)水平 3 3 大きい 電力変換装置
- (4)垂直 3 2 小さい増速機
- (5)垂直 2 3 大きい 電力変換装置
正答 (2)
正答は (2)。
【空白(ア) 水平】
大電力用の風車は、回転軸が地面と平行になる水平軸風車、具体的にはプロペラ形(三枚羽根)が主流です。垂直軸風車は風向きの影響を受けにくい利点がありますが、効率と大型化の面で水平軸に及ばず、大容量機には用いられていません。
【空白(イ) 2乗】
風が持つ運動エネルギーは
E = (1 ÷ 2) × m × v の2乗
ですから、風速v の2乗に比例します。
【空白(ウ) 3乗】
一方、風車が取り出せる「電力」は、単位時間当たりに風車を通り抜ける空気の運動エネルギーですから、質量そのものではなく質量の流量で考えます。受風面積をA、空気の密度をρ とすると、毎秒通過する空気の質量は
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質量の流量 = ρ × A × v
これに(1 ÷ 2) × v の2乗 を掛けると
P = (1 ÷ 2) × ρ × A × v の3乗
となり、風速の3乗に比例します。エネルギーは2乗、電力(仕事率)は3乗、という区別が本問の山場です。風速が2倍になると取り出せる電力は8倍になる、という関係です。
【空白(エ) 大きい】
風は時々刻々変わりますし、電力は風速の3乗に比例するので、出力の変動はきわめて大きくなります。このため風力発電は出力変動の大きい電源とされ、系統運用上の課題となります。したがって「小さい」としている(1)(4)は外れます。
【空白(オ) 電力変換装置】
同期発電機を用いて回転速度を可変にすると、発生する電力の周波数も変動します。そのままでは系統につなげないので、いったん整流して直流にし、インバータで系統と同じ周波数の交流に戻します。この一式が電力変換装置(交直変換装置)です。増速機は風車の低い回転を発電機に必要な回転まで上げる歯車装置であり、周波数を合わせる働きはありませんから、(オ)の答えにはなりません。
【結論】
水平・2・3・大きい・電力変換装置 の組合せをもつ (2) が正答です。
出典:令和4年度上期第三種電気主任技術者 電力科目 問5(一般財団法人 電気技術者試験センター 公表)出典元ページ
最終更新日
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