次の文章は,ナトリウム-硫黄電池に関する記述である。大規模な電力貯蔵用の二次電池として,ナトリウム-硫黄電池がある。この…

機械 第12問

次の文章は,ナトリウム-硫黄電池に関する記述である。大規模な電力貯蔵用の二次電池として,ナトリウム-硫黄電池がある。この電池は (ア) 状態で使用されることが一般的である。 (イ) 極活性物質にナトリウム, (ウ) 極活性物質に硫黄を使用し,仕切りとなる固体電解物質には,ナトリウムイオンだけを透過する特性がある (エ) を用いている。セル当たりの起電力は (オ) V と低く,容量も小さいため,実際の電池では,多数のセルを直並列に接続して集合化し,モジュール電池としている。この電池は,鉛蓄電池に比べて単位質量当たりのエネルギー密度が3 倍と高く,長寿命な二次電池である。上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。(ア)(イ)(ウ)(エ) (オ)

正答 (4)
正答は (4)。 【空白(ア) 高温】 ナトリウム-硫黄電池は、電極の活物質であるナトリウムと硫黄を溶融した液体の状態で使う必要があるため、およそ300度前後の高温に保って運転します。ナトリウムの融点は約98度、硫黄の融点は約115度で、常温では固体なのでイオンが動けません。したがって「常温」「低温」としている(2)(3)(5)は外れます。運転温度を保つためにヒータを備え、充放電時に発生する熱も利用して保温します。 【空白(イ)(ウ) 負極がナトリウム、正極が硫黄】 放電時には、ナトリウムが電子を放出してナトリウムイオンになります。電子を外部回路へ送り出す側が負極ですから、ナトリウムが負極活物質です。一方、硫黄は電子を受け取る側なので正極活物質になります。イオン化傾向の大きいナトリウムが負極、という見方でも同じです。よって(イ)を「正」としている(1)(2)(3)は外れます。
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【空白(エ) ベータアルミナ】 両極を仕切る固体電解質には、ベータアルミナと呼ばれる特殊な酸化アルミニウムのセラミックスを使います。この材料は、結晶の層と層の間をナトリウムイオンだけが通り抜けられるという性質を持ち、電子は通しません。つまり、電解質でありながら隔膜の役目も兼ねています。多孔質ポリマーでは硫黄とナトリウムが直接混ざってしまい、はげしく反応してしまいます。 【空白(オ) 1.7から2.1ボルト】 セル当たりの起電力は約2ボルト(1.7から2.1ボルト)です。1.2から1.5ボルトは、ニッケル水素電池やニッケルカドミウム電池、乾電池などの値であり、この電池のものではありません。1セルの電圧も容量も小さいので、実際の設備では多数のセルを直並列に組んでモジュール電池とし、さらにそれを組み合わせて大容量の電力貯蔵装置にします。 【結論】 高温・負・正・ベータアルミナ・1.7から2.1 の組合せをもつ (4) が正答です。鉛蓄電池に比べて単位質量当たりのエネルギー密度が約3倍で、自己放電がなく長寿命であることから、負荷平準化や再生可能エネルギーの出力変動対策に用いられています。

出典:令和4年度上期第三種電気主任技術者 機械科目 問12(一般財団法人 電気技術者試験センター 公表)出典元ページ

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