電機子回路の抵抗が0.20 Ωの直流他励電動機がある。励磁電流,電機子電流とも一定になるように制御されており,電機子電流…

機械 第2問

電機子回路の抵抗が0.20 Ωの直流他励電動機がある。励磁電流,電機子電流とも一定になるように制御されており,電機子電流は50 A である。回転速度が1200 min⁻¹ のとき,電機子回路への入力電圧は110 V であった。励磁電流,電機子電流を一定に保ったまま電動機の負荷を変化させたところ,入力電圧が80 V となった。このときの回転速度[min⁻¹]の値として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし,電機子反作用はなく,ブラシの抵抗は無視できるものとする。

正答 (2)
正答は (2)。 【使う関係式】 直流他励電動機では、端子電圧V、逆起電力E、電機子電流Ia、電機子回路の抵抗Ra の間に  V = E + Ra × Ia が成り立ちます。また、逆起電力は磁束φ と回転速度N の積に比例します。  E = K × φ × N 本問では励磁電流が一定に制御されているので磁束φ は一定です。電機子反作用もないとされていますから、逆起電力は回転速度にそのまま比例します。 【手順1 電圧110V のときの逆起電力】  E1 = 110 - 0.20 × 50
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   = 110 - 10    = 100 [V] このとき回転速度は毎分1200 です。 【手順2 電圧80V のときの逆起電力】 電機子電流も一定に制御されているので、電機子抵抗による電圧降下は変わりません。  E2 = 80 - 0.20 × 50    = 80 - 10    = 70 [V] 【手順3 回転速度を求める】 磁束が一定なので、回転速度は逆起電力に比例します。  N2 = N1 × E2 ÷ E1    = 1200 × 70 ÷ 100    = 1200 × 0.7    = 840 [毎分] 最も近いのは 840 ですから、(2) が正答です。 【検算】 回転速度840 のときの逆起電力は  100 × 840 ÷ 1200 = 70 [V] これに電機子抵抗の電圧降下10V を足すと80V となり、題意の入力電圧に戻ります。 【間違えやすい点】 最も多い誤りは、電圧の比をそのまま回転速度の比としてしまうことです。  1200 × 80 ÷ 110 = 873 [毎分] これは選択肢(3)に当たりますが、正しくありません。回転速度に比例するのは端子電圧ではなく逆起電力ですから、必ず電機子抵抗による電圧降下を差し引いてから比を取ります。本問では、電機子電流が一定に保たれているおかげで電圧降下が10V で変わらず、計算が簡単になっています。 【電圧制御の考え方】 この問題は、静止レオナード方式などで用いられる電圧制御による速度制御の原理そのものです。界磁を一定に保ったまま電機子電圧を変えれば、トルク(電機子電流に比例)を保ったまま回転速度を広い範囲で変えられます。これが直流電動機が長く可変速の用途で使われてきた理由です。

出典:令和6年度上期第三種電気主任技術者 機械科目 問2(一般財団法人 電気技術者試験センター 公表)出典元ページ

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