細胞の放射線感受性に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。…
ガンマ線の生体に与える影響に関する知識 第40問
細胞の放射線感受性に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- (1)細胞分裂の周期の中で、G₁期(DNA合成準備期)後期は、G₂期(分裂準備期)初期より放射線感受性が低い。
- (2)細胞分裂の周期の中で、S期(DNA合成期)後期は、M期(分裂期)より放射線感受性が高い。
- (3)細胞に放射線を照射したときの線量を横軸に、細胞の生存率を縦軸にとってグラフにすると、ほとんどの哺乳動物細胞では指数関数型となる。
- (4)小腸の絨毛先端部の細胞は、腺窩細胞(クリプト細胞)より放射線感受性が低い。
- (5)皮膚の基底細胞層は、角質層より放射線感受性が低い。
正答 (4)
正答は (4)。これが正しい記述です。
小腸の絨毛先端部の細胞は、腺窩(クリプト)の細胞より感受性が低いとされています。
【小腸の粘膜のしくみ】
腺窩(クリプト) 絨毛の根もと。細胞を作り出す場所
絨毛の先端 できあがった細胞が押し上げられた先
腺窩で作られた細胞が、絨毛を上って先端に達し、はがれ落ちる
【ベルゴニー・トリボンドーの法則で考える】
腺窩 盛んに分裂する未分化な細胞 → 感受性が高い
絨毛先端 分裂を終えた成熟した細胞 → 感受性が低い
作っている場所のほうが弱いのです。
解説の続きをみる続きを閉じる
【ほかの選択肢の誤り】
(1) G₁期の後期(S期に入る前後)は、M期とともに感受性が高い時期とされる。「低い」とする記述は誤り
(2) S期の後期は、細胞周期の中で最も感受性が低い時期。最も高いM期より「高い」は誤り
(3) 哺乳動物細胞の多くは、低線量のところに肩のある曲線になる。指数関数型(片対数グラフで直線)になるのは、ウイルスや細菌など一部に限られる
(5) 皮膚の基底細胞層は、盛んに分裂する未分化な細胞の層で、角質層より感受性が高い。「低い」は誤り
【細胞周期と感受性】
M期(分裂期) いちばん高い
G₁期後期~S期初期 高い
S期の後期 いちばん低い
DNAを複製し終えた時期は、修復の手本がそろっているので強くなります。
【なぜ腺窩がやられると重いのか】
新しい細胞が供給されなくなる
絨毛の先端の細胞は、もともと数日で入れ替わる運命です。はがれ落ちても、腺窩から次が来れば問題ありません。しかし腺窩が死ぬと補充が止まり、絨毛が丸裸になります。
→ 水分や電解質が漏れ出す → 激しい下痢、脱水
→ 腸内の細菌が体内に入る → 敗血症
出典:ガンマ線透過写真撮影作業主任者 2023年上半期実施分(2023年10月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)出典元ページ
この問題と解説は当サイトの責任で掲載しています。内容について、安全衛生技術試験協会へのお問い合わせはできません。
最終更新日
「ガンマ線の生体に与える影響に関する知識」のほかの問題
- 2025年上半期(2025年10月公表) 第40問放射線の被ばくによる確率的影響及び確定的影響に関する次の記述のうち、誤っているものはどれ
- 2025年下半期(2026年4月公表) 第38問放射線被ばくによる白内障に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 2023年下半期(2024年4月公表) 第36問放射線被ばくによる白内障に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 2024年上半期(2024年10月公表) 第34問生物効果比(RBE)に関する次のAからDの記述について、正しいものの組合せは(1)~(5
- 2024年下半期(2025年4月公表) 第32問次のAからCの人体の組織・器官について、放射線感受性の高いものから順に並べたものは(1)
- 2024年下半期(2025年4月公表) 第40問次のAからDの放射線による生体への影響について、その発症にしきい線量が存在するものの全て
スポンサーリンク

