2 月のある日に、千葉県柏市にある気象庁の気象レーダーで観測した仰角3.5°のレーダーエコーを図A に示した。図B は、…
専門知識 専門知識 問3
2 月のある日に、千葉県柏市にある気象庁の気象レーダーで観測した仰角3.5°のレーダーエコーを図A に示した。図B は、この時のレーダーエコーの高度とレーダーからの距離の関係を示したものとする。これらの図について述べた次の文章の下線部 (a)~(d)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①~⑤の中から1 つ選べ。上空では雪片であった降水粒子が、落下して周囲の気温が0℃となる高度付近(融解層)に達すると、(a) 雨滴よりも粒子が大きく、固体(雪)の表面が液体で覆われている「みぞれ」の状態となる。降水粒子には、(b) 固体の状態よりは液体の状態の方が、また粒子が大きい方が、気象レーダーの電波をよく反射する性質がある。このため、仰角一定のレーダーエコーには、融解層の高度に対応する強い環状のエコーが観測され、「ブライトバンド」と呼ばれる。図Aと図Bから、この時の融解層の上端の高さはおよそ(c) 2500mと見積もられる。仮にこの後、ブライトバンドの半径が時間の経過と共に(d) 小さくなる場合は、融解層の高度が低下していることを示し、低い標高の地域でも雨から雪に変わる可能性が高くなる。
- ①(a): 正 (b): 正 (c): 正 (d): 正
- ②(a): 正 (b): 正 (c): 誤 (d): 正
- ③(a): 正 (b): 正 (c): 誤 (d): 誤
- ④(a): 正 (b): 誤 (c): 誤 (d): 正
- ⑤(a): 誤 (b): 誤 (c): 正 (d): 誤
正答 ②
正答は ②。(a) 正・(b) 正・(c) 誤・(d) 正 の組み合わせです。
【図の読み】
図Aでは、レーダー(×印)を中心とした環状の強いエコー(40〜47dBZ程度の緑色)が見えます。距離の目盛から、環の内側の縁はレーダーから約10km、外側の縁は約17〜18kmと読めます。図Bの直線から、その距離のエコーの高度は約700m〜約1200mです。
【下線部ごとの正誤】
(a) 正しい。上空の雪片が融解層に入ると、表面から融けて水の膜に覆われます。融けかけの雪片は、まだ雨滴より大きな粒子のまま液体の表面を持つ「みぞれ」の状態です。
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(b) 正しい。降水粒子は、同じ大きさなら固体(氷)より液体(水)の方が電波をよく反射し、また粒子が大きいほどよく反射します。表面が水で覆われた大きな粒子は、雪片より強く、雨滴より大きいので、融解層で反射が特に強くなってブライトバンドとして現れます。
(c) 誤り。融解層の上端は、ブライトバンドの外側の縁(約17〜18km)に対応し、図Bから高度は約1200m前後と見積もられます。2500mは、レーダーから約40kmの距離に相当する高さで、ブライトバンドの位置と合いません。
(d) 正しい。仰角が一定なので、レーダーから近い所ほどビームの高度は低くなります。ブライトバンドの半径が小さくなるのは、融解層がより低い高度に下がってきたことを示します。融解層が下がると、低い標高の地域でも雪が融けきらずに降るようになり、雨から雪に変わる可能性が高くなります。
【ポイント】
ブライトバンドの「外側の縁=融解層の上端(0℃の高さ)」「内側の縁=融解層の下端」。半径が縮むのは雪の降る高さが下がってきた合図です。
出典:令和7年度第2回(第65回)気象予報士試験 学科試験(予報業務に関する専門知識)問3(一般財団法人気象業務支援センター 公表・許諾を得て掲載)出典元ページ
最終更新日
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