荷重に関する記述として、適切なものは次のうちどれか。…
移動式クレーンの運転のために必要な力学に関する知識 第37問
荷重に関する記述として、適切なものは次のうちどれか。
- (1)移動式クレーンのフックには、主に圧縮荷重がかかる。
- (2)せん断荷重は、棒状の材料を長手方向に引き伸ばすように働く荷重である。
- (3)移動式クレーンのシーブを通る巻上げ用ワイヤロープには、主にねじり荷重とせん断荷重がかかる。
- (4)片振り荷重は、大きさは同じであるが、向きが時間とともに変わる荷重である。
- (5)移動式クレーンの巻上げドラムには、主に曲げ荷重とねじり荷重がかかる。
正答 (5)
正答は (5)。これが適切な記述です。
巻上げドラムに曲げ荷重とねじり荷重がかかる理由は、その役割から分かります。
ドラムはワイヤロープを巻き取る円筒で、軸で支えられています。ロープを巻き取るときはドラムを回転させるので、軸まわりにねじる力が働きます。これがねじり荷重です。
同時に、巻き取られたロープが荷の重さでドラムを引っ張ります。両端で支えられた軸の途中に力がかかる形になるので、たわませる方向の力、つまり曲げ荷重が加わります。
「回すからねじり、引かれるから曲げ」と押さえておけば、他の部材についても同じ考え方で判断できます。
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(3)のシーブを通るワイヤロープについて補足します。かかるのは引張荷重と曲げ荷重です。荷の重さで引っ張られ、シーブの曲面に沿って曲げられるからです。
ワイヤロープが傷むのは、この曲げの繰返しが大きな原因です。シーブの径が小さいほど曲げがきつくなり、素線が疲労して断線します。シーブ径をロープ径の何倍以上にするという基準があるのは、この曲げ荷重を和らげるためです。
荷重の分類と、部材ごとにかかる荷重
【かかり方による分類】
引張荷重 棒を長手方向に引き伸ばすように働く
圧縮荷重 押し縮めるように働く
せん断荷重 断面に沿ってずらすように働く(はさみで切るときの力)
→ 「長手方向に引き伸ばす」と書いてあれば引張荷重。せん断ではない
曲げ荷重 曲げるように働く
ねじり荷重 ねじるように働く
【時間変化による分類】
静荷重 時間とともに変化しない
動荷重 時間とともに変化する。次の2つを含む
繰返し荷重
片振り荷重 向きは同じで「大きさ」が変わる
両振り荷重 向きも大きさも変わる(引張と圧縮が交互にかかる)
衝撃荷重 瞬間的に大きくかかる
→ 片振りと両振りの説明を入れ替える出題が多い。
「大きさは同じで向きが変わる」という記述は、どちらの定義でもない
→ 繰返し荷重で小さな力でも壊れる現象が疲労。
これを起こすのは動荷重であって静荷重ではない
【移動式クレーンの部材】
フック 曲げ荷重と引張荷重 …「主に圧縮荷重」は誤り
巻上げ用ワイヤロープ(シーブを通る)
引張荷重と曲げ荷重 …圧縮やせん断ではない
巻上げドラム 曲げ荷重とねじり荷重
玉掛け用ワイヤロープ
引張荷重。急制動や急な巻上げでは衝撃荷重が加わる
出典:材料力学における荷重の分類
出典:移動式クレーン運転士 2025年下半期実施分(2026年4月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)出典元ページ
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最終更新日
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