81 歳の女性。オトガイ部の腫脹を主訴として来院した。5 年前から乳癌の治療を受けており、ある薬剤が長期投与されていると…

B問題 第28問

81 歳の女性。オトガイ部の腫脹を主訴として来院した。5 年前から乳癌の治療を受けており、ある薬剤が長期投与されているという。初診時のエックス線画像(別冊No. 7A)、CT(別冊No. 7B)及び生検時のH-E 染色病理組織像(別冊No. 7C)を別に示す。病変の誘因と考えられるのはどれか。2 つ選べ。

歯科医師 2024年(令和6年) 第28問の図(1/2)歯科医師 2024年(令和6年) 第28問の図(2/2)
正答 (1)(5)
正答は (1)と(5)。 【見るところ】 A:パノラマと咬合法で、下顎の前歯部から骨の吸収と硬化が混ざった、境界のはっきりしない病変があり、骨の中に分離した骨片(腐骨)のような像があります。 B:CTの骨条件で、下顎前歯部の皮質骨が壊れ、骨の中に腐骨と思われる不透過の塊があります。 C:H-E染色で、骨小腔に骨細胞がない(空になった)壊死骨があり、その周りに細菌の塊と炎症細胞がみられます。 乳癌の治療を長く受けている患者の、腐骨を伴う下顎骨の壊死で、薬剤関連顎骨壊死(MRONJ。骨吸収抑制薬によるものは ARONJ ともよぶ)と考えます。乳癌の骨転移や骨粗鬆症の治療に使う骨吸収抑制薬、つまり抗RANKL抗体のデノスマブと、ビスホスホネート製剤のアレンドロン酸が誘因になります。どちらも破骨細胞の働きを抑えて骨の新陳代謝を下げるため、抜歯や感染をきっかけに顎骨が壊死しやすくなります。
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【ほかの選択肢】 (2) シスプラチン、(3) パクリタキセル、(4) フルオロウラシル  殺細胞性の抗がん薬。口内炎や骨髄抑制を起こすが、顎骨壊死の代表的な誘因ではない 誤り 【予防】 骨吸収抑制薬を始める前に歯科を受診し、感染源となる歯の治療を済ませ、治療中も口腔衛生を保つことが大切です。

出典:2024年(令和6年) 歯科医師国家試験 問28(厚生労働省 公表)出典元ページ

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