19 歳の女性。上顎前歯の突出感を主訴として来院した。アーチレングスディスクレパンシーは上顎⁺1 mm、下顎⁺3 mm …
C問題 第30問
19 歳の女性。上顎前歯の突出感を主訴として来院した。アーチレングスディスクレパンシーは上顎⁺1 mm、下顎⁺3 mm である。診断の結果、抜歯を伴うマルチブラケット装置を用いた矯正歯科治療を行うこととした。初診時の顔面写真(別冊No. 4A)、口腔内写真(別冊No. 4B)及びエックス線画像(別冊No. 4C)を別に示す。セファロ分析の結果を図に示す。抜歯部位(智歯を除く)と併用する矯正装置の組合せで正しいのはどれか。1 つ選べ。
- (1)4 4 チンキャップ
- (2)4 4 急速拡大装置
- (3)5 5 サービカルヘッドギア4 4
- (4)上顎前方牽引装置4 44 4
- (5)ハイプルヘッドギア5 5
正答 (5)
正答は (5)。上顎は左右の第一小臼歯・下顎は左右の第二小臼歯の抜歯と、ハイプルヘッドギアの組合せです。
【見るところ】
顔面写真(A)では、口唇が前に出た凸型の側貌です。口腔内写真(B)では上顎前歯の唇側への傾斜とオーバージェットの大きさが目立ちます。セファロ分析の図では、骨格の前後関係(SNA・SNB・ANB)は平均に近い一方、上顎中切歯(FH 平面に対して)と下顎中切歯(下顎下縁平面に対して)の歯軸傾斜角が大きく、上下顎中切歯歯軸傾斜角と FMIA は小さくなっています。つまり上下の前歯がともに唇側へ傾斜した状態です。FH 平面に対する下顎下縁平面角はやや大きめ(ハイアングルの傾向)です。
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上下の前歯の突出を下げるため、上顎は第一小臼歯、下顎は第二小臼歯を抜いて前歯を後退させます。上顎の前歯を大きく下げるには、上顎大臼歯が前に動かないよう固定を強めることが必要で、その固定にヘッドギアを使います。下顎下縁平面角が大きめの症例では、大臼歯を挺出させて下顎を後下方に回転させるサービカルヘッドギアは避け、上後方へ牽引して大臼歯の挺出を防ぐハイプルヘッドギアを選びます。下顎を第二小臼歯にするのは、下顎の前歯の後退量を上顎より少なくし、下顎の大臼歯の近心移動も使って大臼歯の関係を整えるためと考えられます。
【ほかの選択肢】
(1) 上顎4番・チンキャップ チンキャップは下顎の前方への成長を抑える装置で、成長期の下顎前突に使う。19歳の上顎前突には合わない 誤り
(2) 上顎4番・急速拡大装置 上顎の歯列の幅が狭い(臼歯部の交叉咬合など)ときの装置。この症例の問題は前歯の突出 誤り
(3) 上顎5番・サービカルヘッドギア 前歯の突出を下げるのに上顎だけ第二小臼歯では後退量が足りず、下顎の前突も残る。大臼歯を挺出させる牽引の方向もハイアングル傾向には合わない 誤り
(4) 上下4番・上顎前方牽引装置 上顎の劣成長(骨格性の下顎前突)に使う装置で、この症例とは逆 誤り
出典:2025年(令和7年) 歯科医師国家試験 問30(厚生労働省 公表)出典元ページ
最終更新日
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