3 歳の女児。歯がぐらぐらすることを主訴として来院した。1 時間前に転倒し顔面を強打したという。上顎右側乳中切歯の動揺度…
C問題 第80問
3 歳の女児。歯がぐらぐらすることを主訴として来院した。1 時間前に転倒し顔面を強打したという。上顎右側乳中切歯の動揺度は2 度であった。初診時の口腔内写真(別冊No. 34A)とエックス線画像(別冊No. 34B)を別に示す。適切な対応はどれか。1 つ選べ。
- (1)経過観察
- (2)整復固定
- (3)生活歯髄切断
- (4)抜 髄
- (5)抜 歯
正答 (5)
正答は (5)。抜歯です。
【見るところ】
口腔内写真(A)では、外傷を受けた上顎右側乳中切歯の切縁が隣の歯より下がって見え(挺出と読めます)、歯頸部の歯肉から出血しています。エックス線画像(B)では、切縁の高さは隣の歯とほぼ同じで、歯根の周りの変化ははっきりしませんが、歯根を横切るような細い線があり、歯根破折の可能性もあります(後継永久歯の歯胚の輪郭が重なっている可能性もあります)。
3歳の乳中切歯が外傷で挺出(または歯根破折)し、動揺度が2度あります。乳歯の挺出が大きく動揺が強いとき(歯根破折で歯冠側の破片の動揺が強いときも)は、整復して固定しても後継の永久歯の歯胚を傷つけるおそれがあり、固定もしにくいため、抜歯が勧められるとされます(国際外傷歯学会〈IADT〉のガイドライン)。抜歯後は、後継永久歯の萌出まで経過を見ていきます。
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【ほかの選択肢】
(1) 経過観察 わずかな挺出なら自然に戻るのを待つこともあるが、挺出・動揺が大きいこの症例には合わない 誤り
(2) 整復固定 乳歯で整復すると、すぐ上にある永久歯の歯胚を傷つけるおそれがある 誤り
(3) 生活歯髄切断 歯冠破折で歯髄が露出したときの処置 誤り
(4) 抜髄 この時点で歯髄の処置を行う理由はない 誤り
出典:2025年(令和7年) 歯科医師国家試験 問80(厚生労働省 公表)出典元ページ
最終更新日
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