37 歳の男性。かかりつけ歯科医を受診した際、エックス線画像で左側上顎の異常像を指摘され来院した。これまでに自覚症状はな…
D問題 第78問
37 歳の男性。かかりつけ歯科医を受診した際、エックス線画像で左側上顎の異常像を指摘され来院した。これまでに自覚症状はなく、口腔内外に腫脹も認められない。切除術を行うこととした。初診時のエックス線画像(別冊No. 32A)、CT(別冊No. 32B)、切除物の写真(別冊No. 32C)及びH-E 染色病理組織像(別冊No. 32D)を別に示す。診断名はどれか。1 つ選べ。
- (1)骨形成線維腫
- (2)線維性異形成症
- (3)セメント芽細胞腫
- (4)歯牙腫,集合型〈集合性歯牙腫〉
- (5)歯牙腫,複雑型〈複雑性歯牙腫〉
正答 (5)
正答は (5)。歯牙腫,複雑型〈複雑性歯牙腫〉です。
【見るところ】
パノラマ(A)とCT(B)では、左側の上顎臼歯部から上顎洞にかけて、まだらに強い不透過性を示す塊があり、周りを細い透過帯が囲んでいます。中に歯の形をした小さな構造は見えません。切除物(C)は硬い不規則な塊で、病理組織像(D)では、象牙質(象牙細管をもつ好酸性の硬組織)・エナメル質の基質の抜けた跡・歯髄様の組織が、不規則に入り混じっています。
歯の硬組織(エナメル質・象牙質・セメント質)と歯髄様の組織が、歯の形をとらずに不規則な塊になっているのは、複雑型の歯牙腫です。臼歯部に多く、自覚症状がなくエックス線で偶然見つかることが多い過誤腫的な病変で、摘出すれば再発はまれです。
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【ほかの選択肢】
(1) 骨形成線維腫 線維性の組織の中に骨・セメント質様の硬組織ができる腫瘍で、象牙質・エナメル質は含まない 誤り
(2) 線維性異形成症 骨が線維性の組織と未熟な骨に置き換わる病変で、すりガラス状に写り境界が不明瞭 誤り
(3) セメント芽細胞腫 歯根にくっついたセメント質の塊で、根尖部にでき、歯根と癒着する 誤り
(4) 歯牙腫,集合型 小さな歯の形をした構造(歯牙様の小体)がたくさん集まったもので、前歯部に多い 誤り
出典:2025年(令和7年) 歯科医師国家試験 問78(厚生労働省 公表)出典元ページ
最終更新日
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