妊婦又は妊娠していると思われる女性及び母乳を与える女性(授乳婦)への医薬品の使用に関する記述について、正しいものの組合せ…

医薬品に共通する特性と基本的な知識 第12問

妊婦又は妊娠していると思われる女性及び母乳を与える女性(授乳婦)への医薬品の使用に関する記述について、正しいものの組合せを一つ選べ。a 流産や早産を誘発するおそれがある一般用医薬品はない。b 妊婦が使用した場合における安全性に関する評価が困難であるため、一般用医薬品においては、妊婦の使用については「相談すること」としているものが多い。c 医薬品の種類によっては、授乳婦が使用した医薬品の成分の一部が乳汁中に移行することが知られている。d 妊婦が医薬品を使用した場合に、血液-胎盤関門によって、医薬品成分の胎児への移行がどの程度防御されるかは、全て解明されている。

正答 (3)
正答は (3)。正しいのは(b)(c)の2つです。 【(a)が誤り ―― 流産・早産を誘発する一般用医薬品はある】 流産や早産を誘発するおそれがある一般用医薬品はあります。代表的なものを挙げます。  ヒマシ油類 …… 腸の急激な動きに刺激されて流産・早産を誘発する   おそれがあるため、妊婦又は妊娠していると思われる人は使用しない  センナ、センノシド、ダイオウ、カサントラノール、ビサコジル等の   大腸刺激性瀉下成分 …… 子宮収縮を誘発するおそれがあるため、大量に使用しない
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 桃核承気湯、大黄甘草湯などのダイオウを含む漢方処方製剤 「おそれがある一般用医薬品はない」という言い切りが誤りです。 【(b)正しい ―― 妊婦は「相談すること」が多い】 妊婦が使用した場合における安全性に関する評価は困難です。妊婦を対象とした試験を行うことには倫理的な制約があり、十分なデータを集めにくいためです。 そのため、一般用医薬品においては、妊婦の使用については「相談すること」としているものが多くなっています。「判断が難しいので、専門家に確認してください」という位置づけです。 【(c)正しい ―― 乳汁への移行】 医薬品の種類によっては、授乳婦が使用した医薬品の成分の一部が乳汁中に移行することが知られています。 乳児に好ましくない影響が及ぶことが知られている医薬品については、授乳期間中の使用を避けるか、使用後しばらくの間は授乳を避ける必要があります。 乳汁中に移行することが知られている主な成分を挙げます。  ジフェンヒドラミン塩酸塩(抗ヒスタミン成分)  コデインリン酸塩水和物、ジヒドロコデインリン酸塩   (乳児にモルヒネ中毒を生じたとの報告がある)  アミノフィリン水和物、テオフィリン   (乳児に神経過敏を起こすことがある)  センノシド、ダイオウ(乳児に下痢を生じるおそれ)  ロートエキス(乳児に頻脈を起こすおそれ、母乳が出にくくなる) 【(d)が誤り ―― 全ては解明されていない】 血液胎盤関門によって、医薬品の成分の胎児への移行がどの程度防御されるかは、未解明のことも多いというのが手引きの記載です。「全て解明されている」という記述は誤りです。 胎盤には血液胎盤関門があり、母体の血液と胎児の血液は混ざり合いませんが、それによって医薬品の成分が完全に遮断されるわけではありません。実際、ビタミンA含有製剤の妊娠前後の大量摂取による胎児の先天異常のように、具体的に注意が呼びかけられているものもあります。 「分からないことが多いからこそ、慎重に」というのが、妊婦への医薬品使用の基本姿勢です。

出典:登録販売者試験 令和2年度(関西広域連合 公表問題)出典元ページ

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